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2021-02-09

ファンタジー作品流行る原因は格差社会

現代中間層が没落し、上流と下流がはっきりと別れつつある(またはもう別れた)と言われている。

その事実を前提にすると、世界中ファンタジー作品ばかりが流行する原因も見えてくるかもしれない。

というのは、現代もの作品を描く場合、必ず現代のどこかの階層を切り取らざるを得なくなるのだが、

かつては多数派であった中間層生活基盤が崩れ、国民の「共通した環境」がなくなってしまったため、

現代ものを作ろうとすれば「上流層」か「下流層」か、架空の「中流」を描くしかなく、

そうなると客層はおのずと絞られてきてしまうようになる。

そのためなにを作っても中ヒットに留まり、全く別世界を描くファンタジー作品には単純に「受容する階層の数」で負けてしまうのだ。

ファンタジーは見る階層を選ばないので、格差社会にはもってこいのジャンルなのだと思う。サッチャリズムを経た英国からファンタジージャンル復興が始まったのもうなずける。

なお半沢直樹というヒット作品反論されると思うが、あれは上の階層突き上げ時代劇作風なので、旧中間層中年高齢者のうっぷんが爆発したものであろう。

そういうルサンチマンに沿った作品なら現代ものでもヒットするかもしれないが、その時代もあと10年は持たないように思う。

というのは旧中間層老いて行くため、諦めるだろうし、それ以下の世代はもはや社会階級が完全に固定され中間層時代を知らないため「上を叩く」という発想自体が失われるからだ。

次にそうした突き上げ型の作品流行るとしたら、上流層の不穏分子下流層に働きかけて、自分たちの急進的な思想で世の中を変えようとする時代が来た場合のみであろう。必ず来るとは言ってない。

なのでこの先数十年はファンタジーの天下であろうと予測される。

 
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