裁判が流行っていることですし、せっかくなので、訴状送達に関する一般的事項について、お話しします。
提訴された場合のフローは、概ね次のとおりです。例外はいくらでもあります。
係属部と事件番号が決まる。
被告から見れば、自分の知らないところで、訴状を受け取る前に、第1回期日が決められることになる(伏線)。
併せて、係属部、事件番号、第1回期日などが通知される。
第1回期日は裁判所と原告の都合で決められたものだから、被告に出廷義務はない(伏線回収)。
ただし、被告は、第1回期日までに答弁書を提出しなければならない。
答弁書は、「請求されたことに反対します、詳しいことは後ほど述べます」くらいの内容で十分。
被告が答弁書すら出さないでいると、まあ、原告の請求が認容されるだろう。
【※】 送達について補足
しかし、裁判所からの郵便物については、配達員が、宛名人に対して、受け取りの署名を求めます。
これで、きちんと訴状が被告に届いているか、裁判所も確認できるようになっているのです。
被告が不在にしている場合は、配達員は、不在票をポストに入れます。郵便局は訴状を1週間ほど保管しますから、その間に被告は受領できます。
ここに、「訴状が送達されてない状態で勝手に裁判が進んでしまう、そういう事態があってはならない。」という法の意識を読み取ることができます。
被告の居住確認など、諸条件をクリアした上で、書留郵便に付する送達、という手段が取られます。
付郵便送達がされると、被告が実際には訴状を受け取っていなくても、受け取ったものとみなすことができます(民訴107)。
ここに、「訴状を受け取り拒否してしまえば裁判から逃げられる、そういう事態があってはならない。」という法の意識を読み取ることができます。