家からどこかに行こうとするには、家の前の狭い道を通らないとどこにも行けなかった。周囲の市道や県道に繋がる道がそれしかないからだ。
この道は一本道なのだが、①片側一車線のゾーン、②対面する車の一方が端に寄って停まらないともう一方が通れないような狭いゾーンがあるヘンテコで不便な道だった。
さて、こんな道に面した実家のすぐ目の前には競馬場があった。より細かくいえば競馬場の来場者用の駐車場があった。そしてその駐車場の出入り口は、先に書いた実家の前の狭い道に面していた。
競馬場の駐車場なので基本的に土日しか使われない。ただ夕方になると狭い道を競馬帰りの車が埋め尽くしてしまう。土日は大体16時頃から1~2時間、大きなレース(なんとか記念みたいなやつ)を開催してるときはもっと長く、外が真っ暗になっても渋滞が続いていた。
そうなると家から出かけるのはまず難しい。外出していても道が混む前に帰らないと、自分たちが帰宅することもままならない。家にいればいるで、道沿いはただの住宅地なので渋滞の車のエンジン音や(迷惑な人が混ざってる場合)カーステレオの音が結構響いてうるさいのだ。
まあ両親が実家を建てるより先に競馬場があったので、これは仕方のない不便さではあった。だから自分や家族がこの渋滞に関して競馬場にクレームを寄せたことはない。とはいえ毎週毎週こんな風だったので、時々とても辛いというか、不自由さにうんざりすることもあった。
最近どっかの公園がクレームで廃止したというニュースが老害だ何だとネットを騒がせていたけど、近所にできた施設目当ての余所者が住宅地の狭い道にたくさん来たら住民側は結構しんどいよね(しかも家が先に建ってたなら尚更)、とちょっと同情している。