「長ネギ食べてーーーーーー!!!」ってヤフーニュースで言ってるけど、
これって供給側の問題なので、食ってもらっても何も変わらない。
食べてもらえる量を100とすると、欲しいひと全てが買うためにはスーパーでは110とか置いてないとダメで、
秀品率70%くらいとすれば、160くらい作付しないといけない。
でも気候で収穫時期が偏ってしまったりするので、200くらい出荷されたりする。
ネギの経費なんだけど、ネギは5kg箱が標準で、荷造り運賃手数料で480円、栽培経費で400円くらいかかる。
ここに収穫・箱詰めの人件費が1人1日25ケースくらいなので、350円くらいか。
あと燃料代とか機械代を考えると
1300円あたりが再生産価格(経費を回収できてなんとか経営を維持するライン)となると思う。
うまくやれば1100円くらいまで落とせるかもしれない。
現在のネギの価格は1ケース1250円。これは経営的に厳しい。
それでも1000円つくなら出荷するだろう。
ネギが収穫できるところまで行った時点ではもう生産費400円と燃料代などは埋没コスト、使ってしまったお金だ。
ここから収穫箱詰め出荷で800円くらいと思うと、1000円で売れれば一応手取りとしては残る。
こうして再生産価格以下で野菜は出荷されていく。そして終わってみれば赤字。
800円割ってたら本当に出荷するほど現金が減っていくので、パート辞めてもらうとかそういう手段を取り始めることになる。
経営環境が不安定なところで固定費を上げることは、とてもハイリスクだ。しかもリターンがあまりない。
何千万円・何億円もする機械があれば経営規模を維持することは大切だけど、ネギの機械なんて数百万円だ。
従業員がいるから多少赤字でも出荷し続けた方が赤字幅が減る、そしてさらに値段が下がるなんてバカなことになる。
家族だけならベテラン揃いなので最高に生産性が高められるし、赤字幅も小さいからどうにかもたせられる。
国や県は規模拡大を推進しているけど、なかなか進まないのはこういう構造的な問題だと思うよ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c27a74f51fa606c46562365cc4bed5746601a70c