2022-01-31

ネギ食べなくていい

長ネギ食べてーーーーーー!!!」ってヤフーニュースで言ってるけど、

これって供給側の問題なので、食ってもらっても何も変わらない。

食べ物はどうしても供給過剰になる。

食べてもらえる量を100とすると、欲しいひと全てが買うためにはスーパーでは110とか置いてないとダメで、

秀品率70%くらいとすれば、160くらい作付しないといけない。

でも気候で収穫時期が偏ってしまったりするので、200くらい出荷されたりする。

ネギの経費なんだけど、ネギは5kg箱が標準で、荷造り運賃手数料で480円、栽培経費で400円くらいかかる。

ここに収穫・箱詰めの人件費が1人1日25ケースくらいなので、350円くらいか

あと燃料代とか機械代を考えると

1300円あたりが再生価格(経費を回収できてなんとか経営を維持するライン)となると思う。

うまくやれば1100円くらいまで落とせるかもしれない。

現在ネギ価格は1ケース1250円。これは経営的に厳しい。

それでも1000円つくなら出荷するだろう。

ネギが収穫できるところまで行った時点ではもう生産費400円と燃料代などは埋没コスト、使ってしまったお金だ。

ここから収穫箱詰め出荷で800円くらいと思うと、1000円で売れれば一応手取りとしては残る。

こうして再生価格以下で野菜は出荷されていく。そして終わってみれば赤字

800円割ってたら本当に出荷するほど現金が減っていくので、パート辞めてもらうとかそういう手段を取り始めることになる。

人件費って固定費なわけだけど、

経営環境が不安定なところで固定費を上げることは、とてもハイリスクだ。しかもリターンがあまりない。

千万円・何億円もする機械があれば経営規模を維持することは大切だけど、ネギ機械なんて数百万円だ。

従業員いるから多少赤字でも出荷し続けた方が赤字幅が減る、そしてさらに値段が下がるなんてバカなことになる。

構造的に小規模農家家族経営農家が生き残っていくんだよね。

家族だけならベテラン揃いなので最高に生産性が高められるし、赤字幅も小さいからどうにかもたせられる。

国や県は規模拡大を推進しているけど、なかなか進まないのはこういう構造的な問題だと思うよ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c27a74f51fa606c46562365cc4bed5746601a70c

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