2021-05-29

「名もない家事」に名前をつけてしまった罪

名もない家事、というのがある。

https://toyokeizai.net/articles/-/338150

誰かがやらないといけないような小さな家事を、でも誰もやらなくて、結局「わたし」がやってしまうことが、小さなイライラ、小さなストレスとなり、たまりたまってやがて爆発する。

そういう仕事は確かにある。家事に限らず、会社仕事なんかでも同じだろう。たとてばシュレッダーゴミがたまっていたから捨てておいた。コピー機の用紙が少なくなっていたから補充しておいた。

もちろん会社仕事だと、黙ってやるだけではまずい仕事が多いので、何かしらの報告なり記録なりはつける。ただ、それで評価が大きく上がるかというと、そんなことはない。ちょっとはあるかもしれないけれど。

家事なら、流しのゴミを捨てるとか、水道蛇口の水垢をとるとか、トイレを汚したら軽く掃除しておくとか、……いや、これは小さくないかもっとさな、床に落ちている髪の毛をゴミ箱に捨てるとか、だろうか。

やればいいのである

大した手間じゃないんだから、気がついたら、気がついた奴がやればいい。俺はそうしている。少なくともそうしているつもりだ。そういう奴に限って実は肝心なことをやっていないと言われそうだが、そう言われてしまうと反論のしようがない。

自身は、ちょっとした、それでもちょっとした手間の仕事は、自分がやれるならやってしまうのが一番早いと思っているから、それ以上は追求しないで欲しい。

やればいいじゃないかと思うから、やる。

シンプルだと思う。

俺の嫁専業主婦だ。この嫁が、上の「名もない家事」の記事を読んだらしく、「そう!その通り!」みたいなことを言い出した。

そして、だから専業主婦は大変だとか、自分がどれだけ気をつかっているかとか、そういうことを主張しだした。

ああ。

これまで名前がなかった小さな仕事たちに、ここにきて名前がついてしまった。「名もない家事」という名前が。

から彼女は、それまであまり意識していなかった(あるいは意識していても嫌々ながらもやっていた)「名もない家事」に対して、少なから抵抗を持ってしまった。

どうして名前をつけてしまったのか。

名前がつくことで、認識され、認知されることによりストレス源が明確になって、ストレス解決方法も導きやすくなるという効果はあるのかもしれない。

でも名前がつかないことで、どうにかこうにかバランスをとっていた人が、「名もない家事はつらい」という認知を得てしまったということはないだろうか。

どうして名前をつけてしまったのか。

名前がつく前の世界には戻らない。

名前がつくことで増えた「つらさ」の責任は、誰がとるのだろう。

  • 名前がつくと認識されるのよね。 つらい。 肩こりって単語がなかったアメリカ人は肩こり知らなかったそうだよ。 名前がつくだけで認識できるようになる。 何でも名前つけちゃ駄目ね...

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