夢の中で俺は高校生になっている。
ただし俺は高校生なので高校生であることは不思議なことではない、と思ったり思わなかったりする。
大抵自宅からスタートで、とりあえず学校に行かなければならないという強迫観念がある。
それでも高校には行かなければならない。
街にはだれもいない。信号はすべて青だ。
あっという間に到着。
廊下を適当に歩き回る。休み時間なのか楽し気な生徒らとすれ違う。
俺は楽しくない。俺の教室はどこだ。
知り合いは一人もいないが気にしてはいられない。
「なんだこいつ?」と言いたげな顔、顔、顔は、しかしすぐに談笑に戻る。
すでに授業が始まっている。俺は空いている席に勝手に座る。
英語の先生のようだ。席順に指名された生徒が、すらすらと答えていく。
何を答えているのか俺にはわからない。
どうすればいいのかわからない。
今答えているのはどこの席のやつだ、俺に順番は回ってくるのか、考えるのはそればかり。
ついに俺の番だ。
何も答えられない。
立たされる。
世界が暗転する。
気づくとだれもいない。
すぐ人がいなくなるな。
なぜ俺は一人なんだ。
そうだ、体育だ。今は体育の時間だ。
体操着など持っていない。学ランのまま校庭に急ぐ。
下駄箱はどこだ。
来た時に履いていたはずの靴はどこにいった。
仕方ないので上履きで外に出る。
ラグビーをやっているようだ。
でもどこのチームに入ればいい?
呆然と立ち尽くす。
時は俺を無視して進む。