2020-11-18

家庭科についてのよくある勘違い

小学校家庭科では、手でハンカチを洗うことを教えている。

この間、「小学校洗濯機の使い方を教えずにハンカチを手で洗わせている!時代遅れだ!」という意見を読んだ。

おいしいフレンチトーストの作り方を指南したツイートとともに、家庭科で教えてほしかった~とかい意見もあったりして、ネットでは今の家庭科が不評のようだ。

家庭科調理実習や何かしらの製作をする教科と思っている人ほど、そのような勘違いをしている。

まず小学校ハンカチを手で洗う理由について。

これにはいくつかの意味があるが、ざっくり言うと、「石鹸を使ってこすり洗いをすると、汚れが落ちる」ことを目で見て観察し、手を使って体験するため、である

この前後に、汚れを観察するとか、石鹸を落とすためにすすぐとか、水を含んだハンカチをしぼって干す、といったことも体験する。

洗濯機をはじめ、家電操作の仕方は基本的には教えない。

電子レンジの使い方を教えないのと一緒で、説明書を読めばできる”操作”については教えない。代わりに管理の仕方や操作理由を教えている。

学校家庭科は、料理教室ではないし、家政婦養成講座でも、良妻賢母を育てるための科目でもない。

調理実習は、料理の楽しさを教える意味もあるが、生きるための知識技術勉強することの意味が大きい。なので、必要栄養摂取が優先される。

他の科目との関連付けも重要で、家庭科の教材作りは理科社会ベースである

タンパク質の凝固や、脂質との相溶性、多孔質材料への水の浸透について習った後なら、あのフレンチトーストが教えられるだろう。

汎用性のある調理の仕方や、操作理由を教えられないと、ただでさえ少ない授業時間が圧迫されるので、ご容赦いただきたい。

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