ちょうどコロナで失職して、貯金を切り崩すだけの人生になったタイミングである。
親戚づきあいも皆無になって久しいので、身バレ上等の勢いもあった。
普段からAVをみては、気持ちよさそうに中出しを決める男優に自分を重ねていたので、イメージトレーニングは完璧であった。
女優さんは、噂によると単体200万でスカウトが入るくらいの美人。
フェラチオやテコキで立つには立つのだが、終わってしまえば物の数秒で萎えてしまう。
次の工程に移らなければ、という焦りが、一番の原因だと思う。
かつての仕事もそうだったが、とにかく時間に追われる人生だった。
涙こそ出ないが、仕事も失った先の、道楽で応募したAV男優の仕事でさえ、僕は何かに追われるのである。
失職の直前は、生産調整が入り仕事量が減って楽になった、と喜んでいた。
初めて人間らしい豊かな生活ができていると、喜んだものだった。
失職直後は家すらもない難民だったが、有り余る時間に感謝さえしていたように思う。