輸出立国から投資立国になったといわれ、その根拠に使われている国際収支発展段階説だと、
投資立国は5段階目で、次の6段階目に待っているのは債権取り崩し国となる。
国家として理論通りならいいじゃないいかと言いそうだが、本当にそれでいいのかというのがある。
金融政策だけでは効果がなく、財政政策もセットで行わなければという声が、ここ数年で大きくなっているが、
具体的な仕組みに対する議論が進んでいない。
コロナで政府が事業を行おうとすると、特定の企業を頼らざるを得なかったり、急な需要増に対して人手が確保できない、財政健全化との両立ができないなど、上手く動けなかった。
第二次世界大戦のアメリカの時のように、素人を集めてきても標準化や分かりやすいマニュアルや仕組み作りで、急な需要増に対応できるといったことを、この国は結局してこなかったということだろう。
財政出動と言っているが、ここの事業に政府が投資すればリターンがあるという話がない。
政府が金だけ出してなんとかなるなら、地方創生はもっとうまくいってるはずだ。
輸出立国ではなく内需に支えられているというが、成長産業があるかという点が抜けていて、衰退するのが予想されると投資が行われない。
S&P500に投資するように、アメリカにばかりお金が流れていく。
一部の産業だけが衰退ならまだいいが、複数の産業でとなると難しい。
財政再建はドイツを目指せという話もあるが、ユーロ圏に属していて経済力に対してドイツ国以外とは割安になって輸出に有利になること、緩衝地帯があるので軍備を無視できるなど、事情も違う。