同人誌の制作をしていると、ゲストの依頼をしたり、小説本なら表紙を描いてもらうこともあるだろう。
私の周りにはあまりに受け身の書き手が多かったので、愚痴も含めて書いていく。女性向けBL界隈で二次創作をしている人間の話になる。
今は撤退したジャンルAで活動していた時のことだったが、小説書きが多い中で私は絵を描いていた。
交流も盛んだったのでそれなりに知り合いも多く、オフ会で「じゃあ次の新刊の表紙描いてくださいよ~」なんて話があって、二つ返事でOKした。
しかしその後、相手から何のアクションもないと思っていると、彼女の次の新刊の表紙はカップリングの大手が担当していた。草も生えなかった。
カプ内では、それが初めての大手絵の表紙を使った小説だった覚えがある。
それ以降、イベントの時期が近付くとTwitterで「表紙描いてほしいなあ」と呟く書き手が増えた。
大手やほかの絵描きも「私で良かったら」とツイートするので、ウエルカムな雰囲気はあるものの、依頼をする字書きは誰もいなかったのが印象的だった。
あとから聞いた話だと、私に社交辞令で表紙を頼んできた人は、大手からの声掛けで表紙を描いてもらったと知った。
他の字書きたちもこれを知ったのか、おそらく絵描き側からの「描かせて」の声掛けを待っていたのだろうと思う。
同人歴の長い多くの人は、きちんと自ら依頼をしたり絵描きからの声掛けで依頼が成立することもあるだろう。
しかし私のいた界隈ではあまりに受け身が多く、誰も得をしない状況になっていた。
絵描き自らが立候補するのは、よほど自信が無ければ難しいと思う。「自分ではなく、反応してほしい人がいるのだろう」と考える人もいるはずだ。
狙っている人がいるのであれば、ダメ元でいいから動いてみることをお勧めする。
依頼のしかたがわからないという人もいたが、ちょっとググればわかるだろう。
認知すらされていない相手ならば難しいだろうが、認知されている間柄なら、丁寧に頼めば結果は別として嫌な気持ちになる人はおそらくいないだろう。
そして依頼が成立したのであれば、その本は何があっても必ず発行しろ。いい加減さで信頼を失うのはほんの一瞬だ。