syamuさんはどうしようもなくダメでポンコツで対等な人間関係を築けなくて、本気でやってたYouTubeだってあの体たらくでフリートークはつまらない上にとてつもなく冗長で、とにかくどこを見ても欠点しかないギリギリ健常者YouTuberなんだけど、人間の悪いところを全て持っているが故に、「これは自分だ」と思わせてしまうところがある。
そんな僕らの足りていないところを集めたような存在(30)が、大真面目に夢と希望を持って、両親と住む自宅の一室で、おふざけしながらパルムを食べたべする動画、というのがsyamu動画の本質で、いくら罵倒しようと画面の中のsyamuさんは夢や希望を持ち続けたままで、それは自分を許せない僕らにとって救いなのである。
syamuさんはとにかく強い。ニコニコ動画に転載されて知的障害者だのなんだのと罵倒をぶつけられても動画として言い返す余裕があった。1ヶ月で10人以上のネカマに騙されても、難波で7時間待たされてもYouTubeを辞めない芯があった。家族への嫌がらせによりYouTubeチャンネルを削除したあとも、ワナビとしてTwitterで助詞に絡みまくる強さがあった。
僕らはそんな彼のことをギリギリ健常者、縮めてギリ健と呼ぶが、それは僕らのすべての欠点を持った上で、僕らと同じ世界で強く生きているsyamuさんへの称賛であり、それは僕らの夢であり希望だった。
いくら僕らが自分自身の欠点の象徴とも言えるsyamuさんに対して罵り、誹りの言葉を投げようが、syamuさんは折れず、希望を持ち続ける。そんな救いってあるだろうか。
syamuさんは昨年末に復活した。あのとき確かに持っていた夢や希望や若さをなくした上で。
夢は終わった。
それは、現実になった。