https://synodos.jp/society/19195
筒井 女性の労働と少子化についてですね。今まで、女性が労働することは少子化につながるとか、つながらないとか、様々な議論があったと思います。以前は女性が雇用されると子どもをあまりつくらなくなるというマイナスの関係、最近は逆にプラスの関係があるのでは、と考えられています。これには一応、決着がついています。
つまり、女性が外で働くと子どもは減ります。しかしシカゴ大学の山口一男先生などの研究をみると、育休などの制度を充実させると、このマイナスの効果が緩和されるという結果がでています。
さらに、ここからはぼくの見方なんですが、先進国で少子化を克服した国というのは、若い人の失業率が高くて苦労している国なんです。
岸 よく聞く話と逆ですね。少子化を止めるためには、若年者の雇用を支援して結婚させると言われますし。
筒井 ヨーロッパの国をみると、若者が苦労しているときにも出生率が回復しているんです。むしろ生活が苦しいから、若い男と女がくっつくんです。一人で生活していけないから同棲・結婚する。しかもこのとき、女性も働き続ける見込みがないと、カップルをつくらないし、さらに子どもを作ろう、ということにはならない。
若年層を「一人暮らしできない程度に」低賃金にして、なおかつ女性と男性の賃金や労働時間を等しくさせれば少子化問題は解決する。
今の日本は若年層の賃金が高すぎて、一人でも生活できてしまうから結婚したがらないんだ。
一人で生きていけるのならどこの国でも好き好んで結婚などしないということはわかった。