「お店お探しですかー?」
夜の21時を回ったところだろうか。路上で声をかけられた。2軒回って、正直お腹いっぱい状態。
「いやぁ、もう帰ろうかと。ちなみにどんなお店あります?」
「A,B,Cとかですかね」
A、B、Cともに実在する店なので、とりあえず話を聞くことに。しかし話を聞いてもそんな割引いてる感はしない。
「Dって店なら、頑張れば10分延長で同じ値段でがんばります。」
「交渉次第ってやつですかね。じゃあそれ次第で」
「了解です。店は近いんですかね?」
「通り歩いてすぐですね」
場所は、そこそこメイン通りみたいなとこ。お店到着。ここでキャッチは消える。
「ほい」
内装は普通。店内は平日だからか数名程度。サービスもまぁ普通。途中のドリンク(1杯3000円)に軽く引っかかりを感じながら会計。
............ん?
8000円は前金で払ったのでまぁ理解できる。しかしその下に「50,000円」の文字。
「えっと、この下に書いてある金額は?」
「別途かかる料金になります」
「今手持ちがそこまでないですね。」
「わかりました。」
エレベーターの中で聞いてみる。
「...で、さっきの5万円の内訳は?」
ATMは1台しかなく使用中。これが未使用だったら、黒服が張り付いて支払ってたかもしれない。
入り口は一つ、トイレもない。黒服は入口で待機しているので、奥に移動し、コンビニ店員さんに声を掛ける。
「すみません。ボッタクリに合っちゃって。警察呼んでもらえませんか?」
...!? だめだこりゃヽ(・ω・)/ズコー
幸いここは防犯カメラのある、ごくごく普通のコンビニ。手荒なことはしてこない。コンビニ店員に話したときに、黒服が、軽く腕を掴んでは来たけど、すぐにやばいと察したのか離した。
(逃げるしかない...)
2本ある通路の黒服がいない通路を全速力でダッシュ。コンビニの外へ出てからまた猛ダッシュ。ジグザグに道を進む。
ゼェゼェ...追っては来ない。別のコンビニが見えた。店の外でコンビニ店員がいたので声かける。スマホをいじる暇は、今はない。
「エット、ムコウガワ デスネ」
「こっちですね...ありがとうございます」
そんなこんなで、無事にボッタクリから逃げれた。
怖い人が出てこなくてほんと良かった...ホントに。
わざとついてったなら自業自得ですやん