死刑廃止論を唱える人を否定するわけではないが、「冤罪防止のため……」という理由に拠る死刑廃止論を提唱しつつ、性犯罪の厳罰化、特に痴漢での極端な厳罰化を主張している人は率直に言ってどうかしている。
傷害や殺人、窃盗などと異なって犯罪の推定が難しく、特に接触だけでも場合によっては犯罪になってしまう性犯罪は、基本的には「推定有罪」に近い形で裁かれる。実際の無罪率は他の犯罪とさして変わらないが、物的証拠が極めてあげづらい性犯罪の刑罰を、今後の法治国家に於いてどのように規定していくかは重大な問題である。
そんな中、冤罪という重大な問題を扱って死刑廃止論を主張しながら、一方で冤罪が起こりやすい特徴を備える性犯罪の厳罰化を求めるというのはおかしいことだ。特に、「被害者の気持ち」という思想と絡めると訳のわからないことになる。死刑賛同が「被害者の割り切れない感情を死罪という形で救済することの多い死刑は残存するべきだ」という考えを真っ向から否定しながら、よくも言えたものである。
近頃女性の権利主張によって性犯罪の問題が見直されている。日本の性犯罪に関する法律が適当だとは思わず、時代に併せつど変えていく必要があるのは正しいが、一方で法律には「そうならざるを得ない理由」「そうでなければいけない問題」というものが往々にしてある。それを捨象して一元的な価値観から主張をすることのないように努めたい。
その一貫性を保つことはフェミニズム系のリベラル派には非常に耐えがたいものらしく、同一人物が性の話になった瞬間、敵対していたはずの厳罰主義、家父長主義、強権的保護主義に...
今の日本にはある一貫した主張や理念を以て思想を語るような言論人が少いように思われる。左派にしろ右派にしろ、相手が憎くってひねくれた事を書くものも多い
極端な厳罰化って具体的にどんなのをいってんの?
正常なものいえば、強制性交等罪で男女も同様に被害者として扱われること。肛門性交や口腔性交を扱うようになったのも、正当な範囲内と言えるだろう。 疑わしいのは非親告罪化。好...
性犯罪の内容次第だが、単なる暴行以上になるのは仕方ないんじゃないの 殺人以上は無茶にしても >極端なものは性犯罪を殺人罪以上、或いは強盗殺人などと同じ程度の刑期を求める