とある病院に通っていて、治療にえらく高い見積を出されて悩んでいた。
もっと安く治療できるし、あなたのかかっている医者のやり方はセオリーから外れているうえに普通はありえないと言われた。
何故ありえないかを説明してくれた上に、あなたの家からは遠いが、自分の病院でやりましょうと。説明もなく、ありえない治療法でやる病院はあまりいいと思えないと。
自分は、悩める患者を救いたい。そのために医師をしているし、あなたのような患者こそ、きちんと治療しなければならないと。
泣いた。あまりいい医師に出会っておらず、医療訴訟レベルの事案も経験していたので、こんなに親身になってくれる人がいるのかと心底感動した。世の中捨てたもんじゃないなと。
それからしばらく相談をしたあと、その医師は音信不通になった。
音信不通になる直前、やりとりが雑になっていくのを感じていた。医者も色々いるから、まぁ今の医者が提示するやり方でもなんとかなるかもね。とまで言われていた。
忙しいのかと思い、連絡してみたがなしの礫だった。
あれだけ今通ってる病院に憤慨したのは誰だったのか。救いたい、いや救わねばならぬと高説をたれたのは誰だったのか。
お金を取られた訳では無いので、何も被害は被ってないが、藁にもすがる思いだったので結構ショックを受けている。
中途半端に差し伸べられた救いの手ほど最悪なものは無い。蓋を開けてみれば偽善の言葉をペラペラ並べて蹴り落とされただけじゃないか。
なんだか、しばらくやる気が出ない。