勤務先は数年前まで製品が完全に供給過多な状態にあり、競合他社を巻き込んで値下げと工場閉鎖が続いた挙げ句
全世界規模で業界全ての企業が業績真っ赤っ赤、一人の勝者も居ないレッドオーシャンの極みにあった。
しかし、様々な要因で製品市況が1年ほど前に完全に逆転し、需要が供給を上回ったのだ。
その日から営業マンの仕事は、連日世界中から何件も届く、新規の注文や見積依頼を断る事と
既存客からの増量要求を断ったり、時には泣き落としまで使って購入を希望する購買担当者に頭を下げる事になった。
代替製品が存在せず、製造期間が長く、そもそも原材料も手に入らない状況なので予定の販売数量を
予定通りに売る事が求められる様になったのだ。
最近になってある程度落ち着いたが、こういう環境では販売ノルマに対して1個でも多く売ってはいけないし、少なく売ってもいけない。
私は今まで、営業職の辛さは売れない事にあるんだと思っていた。
まぁ、ある意味貴重な体験が出来たが二度とやりたくなくなった。
嘘みたいな話だが本当である。