ちょうど夏真っ只中で、天気予報では気温30度を超え。自室はエアコンがガンガン効いていたので、逆に肌寒かったのを覚えています。
夏ということなので、生放送をきいているリスナーから、スカイプを通して怖い話を募集することになりました。
リスナーから、いくつかの怖い話を聞きましたが、どれもパッとしない、どこかで聞いたことのあるような内容でした。
ですが、文字ではなく声で会話できたことから案外楽しかったです。
そんなことを思いながら、次の人のスカイプにでると、低い小さい声でボソボソしゃべる男の人からの通話でした。
インターネットを通して、変な声からおかしな人がいることは知っていたので、それほど気にはしませんでしたが、最初の数十秒は呼吸があらく、気持ち悪いおっさんなのか、ウォーキングでもしながら通話しているのかな?なんて思っていました。
「元気ですか?」
「あ、元気です。」
といったどうでもいい、単調で続かない会話を2分ほどしていました。
さすがに面倒くさくなったので、怖い話がないなら通話を切ると伝えると、3秒くらい無言になりました。
そのあと、小さい声なりに張って喋っているのがわかる声調で、一言喋りかけてきました。
「外にいるよ。手振ってる。」
私は鳥肌が止まりませんでした。というのも、住所おろか地名までも秘密にしていたので、リスナーが私の家を特定できるばすがないと思っていたからです。
私はアパートの3階に住んでいます。私から見てパソコンを向いている逆の方向にベランダがあり、右には短い廊下の先に玄関という、とても小さい部屋です。
流石に冗談だと思いましたが、内心怖かったので、恐る恐るベランダに続く窓から外を眺めました。
パッと外を眺めた程度でしたが、誰もいませんでした。ホット一安心し、窓を開けベランダに出てあたりを誰かいないか注意深く探しましたが、やっぱり誰もいません。
一安心したと同時に、若干苛ついていたので、罵倒してやろうと考えながら椅子に戻りました。
イヤホンをつけると、ずっとやっていたのか、
「外にいるよー。」
と小さい声なりに張って喋っていました。そこに私が、
右側だよ
怖い話でした
そのとき、背中に冷たいものが落ちてきました。 「え。」
オチが気になるんだけど
冗談だよ、ベランダに出てまで探しちゃって。3階だったんだね。