2017-07-20

なんでもできて、なんにもできない。

35歳定年説なんてのが、IT業界だと実しやかに言われてた。

当時20代だった自分は35歳定年説をなんとなく信じていて、

毎日が焦りの連続だった。



新しい開発言語が今後のトレンドになると聞けば焦って勉強し、

マネージメントの力が無ければ35歳を乗り切れないと言われればマネージメントの講習を受け、

現場プログラムを書くだけじゃ将来的に困ると言われクライアント営業になり、

営業をやるのであればマーケティングもわからなければと講座に通った。

全部35歳以降の自分の姿が見えなかったので、

ただただ焦っていたんだと思う。

そしてその焦りから、色々な物に手を出してはみるものの、

「その知識だけでは食っていけない」

と思い込んでしまい、次へ次へと追い求めてしまった。

気づけば中途半端知識経験が山のように手元に残った。

プログラミングはできる。でも、同年代エンジニア一本の人と比べたら雲泥の差。

要件定義仕様書も一応書ける。でも、ちょっと大規模なものになったら全く歯が立たない。

新しい知識も追いかけた。でも、若い世代のすごい子と比べたら知ってるというのもおごかましいレベル

営業マーケティングもやった。でも、コンサルになれるほど突き詰めてはいない。


そして、35歳になった。

転職活動をしている。業務経験は実に多種多様ものが揃った。

でも、どれもとても短く浅い。

「○○という業務はやった事ありますか?」

という質問に「はい」と答えた後に繰り出される

面接から少し突っ込んだ質問

どれも浅薄知識しか答えられず、

すぐに面接官に見破られてしまう。

流行りのフルスタックエンジニアなんて言えば聞こえは良いが、

レベルの低いフルスタックは「なんでもできて、なんにもできない」だ。

俺を買ってくれる人は今日も現れなかった。

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