Iが死んだらしい。
ここ一年間は会っていなかった。IはM子というつまらない女と浮気したからだ。それ以前は私達はとても仲が良かった。
葬儀から帰って、ふと思い出した。Iは私にアレを預けていた。記憶を頼りに引き出しを開けると、カメラのフィルムケースが3つ出てきた。
一つは葉っぱ。一つは錠剤。そして、白い粉。
葉っぱはフィルターが無いし買ってきてまで使いたくないので誰かにあげることにした。
とりあえず錠剤を噛み砕きコーラで流した。家にあったストローの先を潰し、小皿に粉を出し潰さなかった方の先を鼻に当て、思い切り吸い込んだ。
錠剤が効いたのか、粉がいきなり効いたのか分からないが、蛍光灯が激しく点滅し、壁紙の規則正しい線が踊り出した。こんなときはいつも、Iに抱きついて笑い転げるか怯えるかしていたなーなんて思い出した。私はひとりの時にこれをやった事がない。
ふと、気づけば2日経っていた。その間にうさぎを2匹飼って一緒に暮らしていたような気がしたが、あったはずのうさぎのゲージもうさぎ達もいなくなっていた。うさぎたちなんて元から居なかったのだと思う。
そして、そんな事を話せる相手ももういなくなってしまったことに気づいてわんわん泣いた。
床にはIが好きだったリバティーンズのライブDVDとかが転がっていて、DVDデッキは24hourpeopleを吐き出していた。
それを見てIが会いに来てくれたのだと思った。
もう、フィルムケースには手を出さない。残りがまだまだあるこれらはIの友人のHにあげよう。
昨日は健康的なごはんを作り、ジョギングし、サウナにいった。今日も健康的なごはんを食べ、ジョギングしシャワーを浴び女友達と買い物に行った。彼女はIの事は知らない。
充実したGWだった。