米フロリダ州のホテル・飲食業管理当局が同州パームビーチにあるトランプ大統領の豪華別荘「マール・ア・ラーゴ」の調理施設を今年1月に検査し、13項目で衛生基準違反を見つけていたことが15日までにわかった。
このうち3件は食物関連の疾病などを直接もたらす恐れがあるとして、緊急の対応を求めたという。
2件は生肉保管に関するもので、トランプ氏の好物であるミートローフなどに使われる牛肉も含まれた。冷蔵温度の上限値と規定されるカ氏41度(セ氏5度)を超える状態で保存されるなどの不備を突き止めていた。この他、寄生虫除去が不十分となる方法で調理した海産物の提供も指摘。魚類は十分に調理することを求め、そうでない場合は投棄することを促した。
衛生検査は今年1月26日に実施されたもので、トランプ氏の大統領就任後では初めてだった。今回の違反事項の発覚は地元紙マイアミ・ヘラルドが最初に報じていた。
マール・ア・ラーゴは会員制の施設。衛生基準違反の指摘を受け、必要な是正措置を実施し最終的には検査に合格したという。
トランプ氏は同別荘を1985年、500万ドルの価格で購入。今年1月には入会金を倍増し20万ドルとしていた。1月時点での会員数は480人で、上限は500人と設定している。
トランプ氏は大統領就任後、週末を過ごすため別荘を再三訪問し、ゴルフなどを楽しんでいる。今年2月には日本の安倍晋三首相夫妻を招待する首脳外交にも使用していた。
フロリダ州の公式データによると、マール・ア・ラーゴが何らかの法令違反容疑などで調査対象になったのは14年以降、計55回に達する。