深川や下町あたりの戦前の観光名所・歴史遺産は震災・戦災で壊滅した上に、当時の人々が「復旧よりも復興」を掲げたため、古老の記憶がその命とともに消え去る前に、元に戻すことができなかった。
歴史的建造物や遺産は、災害で消失したらそれで終わり、ではない。
ワルシャワの歴史的町並みのように、ナチスに完膚無きまで消滅させられたけれども、戦後、そっくり復元を果たして、世界遺産にまで登録された例もある。
戦後70年、ようやく「復興」より「復旧」の方が大切(子孫が自らの歴史的アイデンティとなる拠り所がないことがどれほど深刻なことか)と気づいてくれた人がいるのは嬉しいが、いかんせん、あまりに遅すぎた。
同じくナチスに廃墟にさせられたアムステルダムのように、「復旧よりも復興」を選択するのなら、そこに住んでいる住民が誇れるような町並みと建築を整える戦略もありだったが、東京はそれすらしなかった。まぁこれは石川栄耀の思想についていけなかった安井誠一郎の頑迷さによるところが大きい(GHQは巷間に言われるほど冷淡ではなかったと思われるけどね。)
今の東北も「復興」を掲げているけど、のっぺらぼうの住宅地に巨大な津波堤防が子孫のアイデンティにどれほどの傷を残すのか、気づくのにあと50年はかかるだろうね。
都市計画、本当に大切よ。とりあえず地元の土木事業者が政府の金で潤えばいいや、という考え方は100年かけて故郷を蝕むから。
まぁ世界中どこも、こういう失敗を経て成長するけど、この手の精神的成長には石造りの街主体のヨーロッパですら数世紀のスパンがかかってるから、日本のようなかつて木造主体の街だと仕方ない部分もあると思う。でもいま、ここで精神的成長しないと本当に近い将来、やばいことになるから。
でも増田君はそうやって危機感を煽るだけで何もしないんでしょ?
保存?建築方法を無くすのはもったいないが、それさえあれば実物はいらない。それによって伝統とアイデンティティは保存される http://anond.hatelabo.jp/20170313091732