今まで誰にも話したことないし、多分これからも一生誰にも話さない、別に重要でもないけどどうにも恥ずかしい記憶ってあるよね。
初めて発見したのは確か6歳の頃だ。
股間を出っ張りにこすりつけるとなぜか気持ちいい。それは6歳の少年にとっては大発見だった。
もう止まらなかった。毎日のように股間を至る所にこすりつけていた。
(確か、一位はバスタブだった)
これはハッキリと覚えているんだが、母親と一緒に入浴したとき、どうにもガマンができなくなって、俺は股間をバスタブに擦りはじめた。
そしたら言われたよ。
「それ、やめなさい」
ひどく冷たい声色だった。
それ以来、ああ、これはイケナイコトなんだと自覚し、こっそりと楽しむことにした。
しかも家だけでは飽き足らず、親戚の家や友達の家なんかでも、こっそりと席を外してスポット探しをする始末だ。
そしてこの趣味は10年続いた。
高校生になり、ちょうどインターネットが一般に普及し始めたのもあって、俺は正しい自慰の方法を知ることができた。
最初は違和感があったものの、今ではきちんと手でしごいている。
でも、幼少からの趣味が原因なのかは不明だが、現在の俺はとんだ早漏である。
大体、1分もしごけば十分だ。
おかげで風俗にもいけやしない。
ちなみに未だ童貞だ。
女性器に入れたことはなくても、自分が早漏かどうかはおおよそ把握しているものだ。
まあ、そんなことはどうでもいいか。
俺が知りたいのは、「みんなそんなもんだった」のかどうかだ。