今日は、お客さんに誘われて工場へ試験立会に行った。というか、そのお客さんは文句が多いお客さんで、数多の手直しに現場は辟易していて、私はお客さんに気に入られているので、現場に呼ばれて行った。試験は現場に任せて、お前はお客さんの話し相手していればいいから、と事前に言われた。
うちの設計チームのリーダーは、私が度々お客さんに呼び出されて工場へ行くことに良い顔をしない。それは別に「私が」お客さんと無駄話して設計の仕事をサボっているから、ではなく、若い女の子を仕事にかこつけて呼び出す「お客さん」と、それでお客さんの機嫌が取れるならと良しとする「現場」に良い顔をしない。
そもそも以前に一度、お客さんの出した契約仕様外の要望について私とリーダーでお客さんに話しに行ったことがあり、お客さんの吹っ掛けとも言える仕様外要望にリーダーもうんざりさせられたことがあるので、リーダーはそのお客さんを良く思っていない。その時、お客さん側に一緒に立ってやいやい言ってきた現場のことも良く思っていない。お前はどっちの味方なんだ、と。
私が気に入られて以来、明らかに私の設計チーム(だけ)お客さんからの追加要望が減った。というか、全く無くなった。
お客さんは私が行くと歓迎してくれる。現場はお客さんの機嫌が取れて感謝してくれる。ならそれでいいか、と、私はたまに現場に呼びだされて行く。
今日の試験は、その工場では初めて立会う試験だった。他所の工場では2,3回くらい見たことがある。まあ、分かる内容もあれば分からないものもある。お客さんは元々他社の設計をしていた人で、試験の解説してくれたり、設計昔話をしてくれたり。
朝から始まって昼前に試験は終わり、その後お客さんの控室で昼休みに食い込むまで(いつも通り)設計の心構えだとか、昔話だとか、少しは現場を見に来なさいだとか、試験内容についてとか話した。
これは私の不徳の致すところだが、最後の方は苛ついて無愛想な口調になってしまった。
お客さんは困った顔をして、現場のおじさんは苦笑気味だった。
きっと後で現場からリーダーに私の教育が悪いと苦情が来るだろうな(前にも一度あった)、と、事前に伝えておいた。
うちの設計チームのリーダーは、仕事がデキる人でチームから尊敬されている。私もそうだから、勿論リーダーにそんな反抗的な態度をとることはない。だからリーダーはお客さんが以前一度会ったときのように嫌味な口調でくどくどと説教してきて、それで私と口論になったとかだと思っている。私は信じられている。
憂鬱だ。
追加要望の対応は面倒だし現場には感謝されるし、それでいいと判断したのは私だ。リーダーは断っていいといったし、現場は私に試験は見てるだけでいいといったし、お客さんは私とおしゃべりしたかったのだろう。
お客さんも現場も、勿論リーダーも嫌な人じゃない。私が上手くやれないだけだ。
年配者の説法を上手くかわせない自分に腹が立つ。