2016-06-19

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月に吠えらんねえの5巻を読んだ。近代史を題材にした内容もさることながら、物語の運び方とか見せ方とかがすごく独特で唯一無二な漫画になっていると思った。

5巻を読んだってくらいだから1巻から買ってるんだけども、この漫画を五冊一気に読むのは今まで一度も試したことがない。ちょっとキドキするけど今度やってみよう。あたま変になりそうだけど。

この漫画、内容が掴みづらいってのもあるんだけど、何よりも悪夢のような場面転換がめまぐるしい。Amazonの1巻のレビューに悪酔いするって評価があるけどあながち間違いじゃないもの精神的にやられている時に読むと、ぐわんぐわんときて目が回るってしまうかもしれない。それももまた面白いかもしれないけど。

何なんだろうね、この漫画は。BLっぽい描写最初からあるし、4巻や5巻なんて更に踏み込んだエロスを描いてるんだけど、いつの間にか主人公は性転換しかけてるし、不意に不穏な雰囲気を醸しだしたかと思ったら銃で打たれて登場人物が目の前で殺されるし、町外れの大樹には降ろすことのできない正体不明な首吊死体があるし、そのどれもこれもが作品の本題と密接に関わっていそうだし。

それらひとつひとつ映画リングホラービデオみたいなザッピング具合で次から次へと現れるもんだからジェットコースターみたいというか薬でもやってトリップしているかのような感覚に陥ってしまう。画面の描き方がとても映像的なんだよね。おかげで一冊読み終わってからちょっと放心してしまった。すごいものを見た、って思わされてしまった。すごいものを読んだ、じゃなくてね。

とは言えこ作品は読めると間違いなく面白いに違いないから一度しっかり読みなおしてみよう。アニメになったらスタイリッシュ映像表現ができそうだと思う。なかなかできなさそうだけど。

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