読者は創作物を印象批評から文献的批評といったさまざまな方法で勝手気ままに好き勝手に言いながら評価を下す。なかには口汚く罵ることもあるだろうし、範囲をひろげ製作者にも言及し怒りをぶつけることも少なくはない。しかしその言い分が不当、もしくは評価が不適切、レビューが低品質だったとしても「批評・批判」されないのが現在の状況だ。それはレビューが「創作物」だと見做されていないから、見逃されているのだ。
自分が書いたレビューを批判された時に「個人の感想だろ!」「好きに言わせてくれよ!」「お前は嫌いかもしれないが好きな人だっているんだ!」「嫌なら見るな!」「そんなに嫌ならお前が書け」
という文句はあなたが書いたその「レビュー」にそっくりそのままお返しする。その気持ちは、ある創作物に対して書いたあなたのレビューの自己内省・品質の向上に使うのが適切だろう。もちろん上述したような事を言う人はいないと思うが、もし本気でそう思うのならば"オープンスペース"に創作物を公表しないほうがいい。チラシの裏にでも、日記帳にでも書いて人目を忍んで自分だけ見られるようにすればいいだけだ。そしてもしも公の場にてレビュー(創作物)を開示するならば―――創作物を世の中へ公表し読者からの批判・誤読を受ける辛さを知るのも悪くはないだろう。あなたがレビューしている創作物もまた、そのような批判・誤読を一身に受けている事を実感として理解できるに違いないのだから。
もちろん私が書いたレビューレビューに、さらなるレビューを下すのもまた自由なので気の向くままにやって頂ければよい。
というようなことを書く人がいたとして。