高学歴というのは格好の差別対象である。例えば偏差値60の大学ならば全国の受験生の上位15%程度の学力に相当し、偏差値70となると上位2,3%くらいの学力となる。東大、京大、医学部などは大体偏差値70くらいになるっぽいので全国の受験生のうち上位2%程度にいなければ合格は厳しいということになる。
とくに中途半端な進学校(私の母校もそうである)に行っていた人間は勉強ができることがよいことのような極めて偏った思考を教師から植え付けられていたりして、それにもかかわらずそんなに高偏差値の大学に行かないことが多いので、東大とか京大とか医学部とかの学生を見ると途端に差別を始める。「うわーめっちゃ頭いいですやん、いいなぁー」みたいな「頭いい差別」である。学歴のコンプレックスをぶつけているようにも映る。
まだ薬学部は偏差値があまり高くないためか、普通に話してくれたりするが、医学部医学科となるともう会話さえしてくれなかったりするので本当にむごい差別を受けているなぁと感じる。
その差別がいけないところはその人の専門分野ではなく、その人の偏差値を見ているというところだと思う。例えばオレが初対面のおじさんやおばさんに「薬学部に行ってます」と言ったら「薬の勉強ってどんなことするの?」と聞かれる。彼、彼女らは専門について気にする。だが、20代くらいの大学生か社会人かに「薬学部に行ってます」というと「うわー頭いいやつやー」と言う。偏差値について気にするのだ。
後者のその偏差値とかいう一元的尺度で物事をとらえる菲薄な世界観に対し、オレは閉口せざるを得ないし、でも本人たちもそんな世界の認知の仕方はいけないと分かっているのだ。なのにそう「思わず」口にしてしまう。もったいない。勉強以外の才能が教育でつぶされてしまっている気がしてならない。