家でゴロゴロしてたら想像以上に早く時間が流れていって、人並みよりも遅いタイミングで社会人になった。
大多数の大人が言うには社会は厳しい所らしいが、その実自分のケースも多分に漏れていなかった。
他所がどんな感じかは、正直体験したことのない話なので何も断言できない。
自分の仕事は正直厳しいけど、他所は他所で嫌なことは何かしらあるのだろう。
残業代は出るし、勤務時間も常識の範囲内、給料もさほど不満ではない。
これで文句を言っていたらブラック企業の社員の人に偉そうな説教を受けてしまう。
不満の原因は大体自分の能力やら精神面の幼さにあるだろうと思って、とりあえず年齢的な遅れを取り戻すために仕事を続けた。
下痢のときよりも位置が高く、鈍いようで鋭い、カッカするような感覚。
心に負荷がかかったときの頭の痛みを初めて知った。
側頭部、X座標でいうと目と耳の間位の位置が、痛いというよりも引っ張られる感じ、何か持っていかれそうな感じ。時々鋭く痛む。
心に負荷がかかったときの喉の痛みを初めて知った。
常に喉の奥が乾いているような感覚。鏡を見ると惨めに腫れていて、外からさするとしこりがある。
自分が持ってる社会人としての常識は、それは経験不足もあって役には立たない。
ただ一個人の、ただの人間としての常識で社会的ストレスの理由はすぐに洗い出せる。
部署内でも、プロジェクトチーム内でも、あるいは取引先でも、全てのケースに当てはまる。
みんな互いが互いに無茶か、悪意か、文句しか言ってないのだ。
生きるのが巧い人は問題無いだろう。
あるいは何かしらの価値、見返りを見出してこの境遇を乗りきれる人もだ。
みんながみんなそうではないので、自分より後に入った中途の人が、良い人が、短期間でいっぱい辞めていった。
自分はどうだろうかと考える。
ここにいる理由は出遅れた社会人経験を取り戻す事くらいだ。たったそれだけ。
釣り合わないと思ったのでそれらしい理由をでっち上げて辞めると言ったら引き止められた。