http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20130814/bbl1308140728003-n1.htm
「たとえばあなたが同じ2年生エースだったらどうですか? 3年生の思いを背負っている。ずっと目標にしてきた甲子園のマウンドに立っていて、またここに来られるかもわからない。それが決勝だったら? 春夏合わせて4000校ある内の4校しか立てないわけです。おそらく一生に一度でしょう。監督に投げたいと言いませんか」
──高校生の立場なら、投げさせてくださいと言うと思います。それでも…
「あの子たちには『いま』しかないんです。それを高いところから、冷静な判断で取り上げることは、私は高校野球の指導者じゃないと思います。止めたことで彼らに一生の悔いが残るかもしれない。もちろん2、3回戦なら投げさせません。でも決勝になれば、私は投げたいという本人の意思を尊重してやりたい」
──安楽君は米国からも注目された。球数制限のルールや、もっと余裕のある日程なら体への負担も軽減されるのでは
「球数の問題はプロでもよくいいますね。でもそれは日本の伝統ある高校野球にはそぐわない。肉体の限界を精神力で乗り越える。武士道精神のような厳しさもまた高校野球だと思います」
花巻東・佐々木監督の信念と後悔「済美・安楽君は大谷よりも上」
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20130816/bbl1308161603007-n1.htm
「大谷が1年時には絶対に登板させませんでした。当時は骨が大きく成長する時期だったので野手として下半身を作ることに専念させました。秋の東北大会でセンバツの出場が懸かった試合で負けたときは『なぜ大谷を投げさせない』と批判も受けましたが、あいつは野球で飯が食えると思っていたので、迷わなかった」と佐々木監督。大谷の将来を考え、目の前の勝利にもこだわらなかった。
佐々木監督は選手の健康を第一に考えて起用することを心がけているものの、実際には、迷いや後悔の念が生まれることがあるという。大谷を大事に育てたのは良かったが、結局、最後に甲子園に連れて行くことができなかったことは痛恨だったという。
「安楽君は2年であれだけの速球が投げられて、勝ち方も知っている。正直、当時の大谷よりも上だと思います。私は大谷を勝てる投手にしてやれなかった」