2013-08-12

巨大ロボットが大量に闊歩する世界

我々は皆、既にガンダムレイバーが大量に存在する世界にいる。

機動警察パトレイバーおいて、レイバー所属しているのを「特車二課」すなわち「警視庁警備部特科車両二課」としているのは、実に慧眼だ。

なぜならば、多足歩行式作業機械というのは、結局のところ車の延長だからだ。

そして、それを全く逆に考えれば、我々は皆、アニメに言うような操縦する巨大ロボットロボット定義については触れないが、人が乗り込んで操縦する巨大ロボットを指す)の世界にいるといえる。

2本の棒と少ないボタン鉄人を動かすリモコンを見て笑う人も、

丸い操縦桿と、2本の棒、それに2つのスイッチだけで動くオートマ車を笑ったりしない。

あれで操縦するのなんか、非現実的だ、なんて言わない。

でも、1トン近い重量が人の思い通りに動く。

これが巨大ロボットの闊歩する世界でなくて何なのだろう。

確かにパンチはしないけど、うっかりすると民家ぐらいは半壊する。

怪光線は発しなくても、よそ見運転で人も殺せる。

幼稚園児が歩くすぐその脇で、高い規範意識と崇高な目的に支えられたわけでもなく、何らの指示も受けず、苛烈な訓練も無く、パイロット健康状態も精神状態も管理されず、整備状態も最低限のもの以外は任意である巨大ロボットが大量に動き回っている。

誰も管制せず、ただ運転者の良心にのみ任されて。

つい、「道路を流れる車」のような見方をしてしまう。

間違っているんだ。

そこを通っているのは、疲れたサラリーマンや、寝不足学生や、携帯電話で会話をしている主婦が1トンの巨大ロボットを操縦している光景だ。

そこにいるのは、人が操る巨大マシンだ。

車が人を殺すのではない。人が人を殺すんだ。

もっと我々は怯えていいはずだ。もっと我々は恐れていいはずだ。

万全な体調でも無いのに車を運転する時には、ほんの少し手元が狂っただけで人を簡単に殺せる作業機械に乗り込んでいる事を思い出すべきだ。

毎年4000人以上が死ぬ原因を作り出す巨大ロボットをどんな人間が操縦しているか、我々はもっと注視してもいいはずだ。

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