小学校の成績はいつもクラスで1番だった。宿題をテキトーにやっているだけで、テストはほとんど満点だった。
授業中は周囲の席の子と私語をしていて、よく怒られた。
「あなたは授業を聞かなくて良くても、みんなの迷惑になるでしょ」って担任に言われたのを覚えている。
中学校でも、学年で10番以内だった。多くの生徒が塾に通っている中で、僕は宿題もロクにやらなかった。
多くの宿題は提出日の前日に答えを写していた。それでも、テストは簡単だった。
特に受験勉強もせず、地元で1番の県立高校に入った。高校でも勉強はしなかったが、1,2年のうちは学年で20番以内だった。
授業中は寝ていたし、宿題は出さなかった。
高3になって、周囲が受験勉強を始めると、僕の学内順位は100番以上落ちた。それでも、勉強はしなかった。
やらなければ、とは思ったけれど、机に向かってもやる気がおきなかった。将来の夢なんてなかったし、特にいきたい大学もなかった。
国立大の前期試験は、何となく選んだ某旧帝大を受けたが不合格だった。後期は地元の国立大の経済学部を受けた。
地元の国立大なら必ず受かるだろうと思っていたので、過去問を解いたりは一度もしなかった。やっぱり合格した。
うちの経済学部は必修科目が無かったので、単位の取りやすい授業だけを選んで受けた。
授業には半分ぐらいしか出ないし、過去問を集めたりもしなかったが、定期試験でテキトーなことを書いておけば単位はとれた。
大学3年になって、就活の時期が訪れた。しかし、やりたい仕事なんてなかった。
親のすねをかじり続けるわけにもいかないので、働かなければいけないとは思ったけれど、自分のやりたいことなんて分からなかった。
とりあえず安定してそうだから、公務員試験を受けることにした。公務員試験は民間より遅いので、就活を先延ばしできた。
問題集はひと通り買い揃えたけれど、結局、ほとんどやらなかった。それでも今年受けた1次の筆記試験は全て合格した。
問題は2次の面接だった。先日までに全ての2次面接が終わったが、どれも酷い出来だった。
志望動機とか自己PRとか考えられない。考えても、ありきたりなことしか思い浮かばない。面接で突っ込まれると、マトモに答えられない。
僕は、本当は働きたくなんてないんだ。しょうがなく就職活動をしているんだ。それを面接官に見透かされている気がしてならない。
せめて東大余裕で受かってから勉強はやらなくても出来た発言してください。
途中まで俺と一緒だな。 俺は就職はできたけど。 ただ、自分がやりたくないことをやることほど不幸なことはないよ。