2013-04-25

靖国が好きになれない

なんとなく靖国が好きになれない。自分は右か左かと言われたらやや右寄りだと思ってるんだけど、靖国は好きになれないんだよね。

その理由について自分なりに考えてみた。いくつかそれっぽい理由はあげられる。一宗教に過ぎない靖国が、国のために戦って亡くなったあまたの宗派の人たちを十把一絡げにして「ここに祀られてる」って言っちゃってる点とか、なんやかや言っても実際にはかつての軍国主義最後の象徴となっている点とか。これが無宗教の施設とかならいいんだろうけど、靖国は明らかに宗教だしね。

で、「国を守るために尊い生命を捧げられた246万6千余柱の方々の神霊を祀る」とは言ってるけど、理由はどうあれ最後の方は国外に出て戦っちゃってるよね。国防だけじゃないよね。その行為や当時持っていた理想の是非はともかく、国を守るために、って言っちゃってるところに「嘘」を感じるんだよなあ。


もうひとつ、「国を守るために尊い生命を捧げられた」って言葉が引っかかる。結果的には国を守るためなんだろうけど、実際には戦いたくないけど徴兵された人や、国というよりも家族のために戦った人、洗脳のような教育の中で戦うことに疑問さえ抱けなかった人、いろいろだと思う。それをひとまとめにして「国のために命を捧げた」って言い回しがなんか嫌だ。

そしてここから自分勝手な思い込みだろうけど、この言葉は「だからお前らも、国のために命を捧げるべき」と言われているような気がしてしまうんだよね。もちろん国をよくなって欲しいし、自分の力でよくしていけるならそうしたい。でも上から言われて「命を捧げる」てのは違うと思う。国は人のためにあるのであって、人が国のために存在しているわけではないのだから

もちろん、他国から攻めこまれたりしてやむをえず命をとして戦わなければならない場合だってあるだろう。でも近代ならともかく、現代において、命を捧げることを英雄視し、美談のように語ることにはやはり違和感を感じる。それは英雄ではなく、国が舵取りに失敗したがゆえの犠牲者であることをもっと明確にしないと。

数百万の国民の命を失うような戦争政治の結果を、美談にしちゃだめだよ。

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