ずっと「いい話や欲しい結果は転がってこないから、自分で努力して求めるべき」と思ってきた。そして何十年か生きてみて、それは誤りであり、「いい話はむしろ向こうからやってくる」と思うようになった。自分の力の小ささ、自然(運)の強大さを認め、屈服したとも言える。
特にイケメンに生まれなかったので、人生の前半を童貞で過ごした。彼女を作る努力は人並み以上にしたが実らなかった。ある時偶然今の嫁と出会い、トントン拍子で進み結婚した。今から何をどう頑張っても、嫁以上の女性と結ばれる可能性はないと言い切ることのできる理想の嫁で、満足している。うまくいかなかった時の努力は何だったんだろうと思った。
仕事で、なんとなく周りにいたメンバーとなんとなく企画して作った製品が当たった(もちろん良いものになるよう全員努力はした)。その後より一層の努力を続け、常に勉強して知識を得、経験を蓄積し、以前より最適化された手法で頑張っているが、新しいヒット製品は生まれなかった。この理不尽な差は何なんだと思った。
結局、成功するかどうかに自分の力はあまり関係がなく、結果は運次第、うまくいく時は勝手にうまくいくが、流れに逆らうことはできないことがわかってきた。自分が無能だからかもしれないが、世の中に有能な人は一握りで、ほとんどの人は凡人で無能だ。ならば大勢の人に当てはまるセオリーや生き方が説かれる方が、社会に有益ではないかと思った。
努力してうまくいかないのは当たり前だから、あまり自分や他人を責めないようにしましょう。幸せは運が良ければ向こうからやってきます。