そこで話していたことを咀嚼するために、少し文章を書こうと思う。
先輩は考えると同時に手が動く、あるいは手を動かしながら考えるタイプの人だ。
その人が、会社との折り合いを付ける事が出来ず、辞めるという決断をした。
9時5時の生活、ものづくりを軽んずる風潮、社内向けの無駄な仕事等、
(勿論、それだけでは辞めないけど。まぁ言えない事や書けないこともある。)
それにしても、「辞める」という決断は重い。
有能な人なので、先輩の辞職は会社にとってもマイナスであることは間違いない。
なぜ折り合えなかったのかと思う。
そこで思い出したのが、二人の異能の人、スティーブジョブズと池田敏雄だ。
二人とも、組織との折り合いを付けるのに苦労し、ジョブズは一旦appleを退職している。
だが、最終的には組織の側を彼らに合わせることで、何とか組織の中で活躍できた二人だと思う。
まぁ、ここで僕が言葉を尽くすよりも"Think different"でググって貰ったほうが良いかな。
この二人程の天才ではなくても、そういう人が一定数居る。先輩もそんな「異能の人」なんだと思う。
「異能」というのは「大多数の凡庸な人とは違う」という意味の単語であり、
その意味で、先輩が「大多数の凡庸な人」がいる会社と折り合えないのはむしろ当然だ。
そこを理解できず、今日は凡庸な側のロジックを先輩にぶつけてしまったが、そこに解は無い。
きっと、凡庸な僕は、先輩のロジックに心から共感することは出来ない。
でも、理解し、尊重し、尊敬することはできる。そのことに今気付いた。
世の中の大多数の人は、凡庸な人だ。
凡人は、与えられた仕事を与えられた制約の中でこなす方が、効率的に仕事が出来る。
だが、異能の人は違う。彼らは仕事を与えられることに抵抗し、その枠組みを揺さぶる。
凡人が異能の人を排除したとき、その組織はやがて来る枠組みの変化に対応できず、滅びて行くのだと思う。
だから、会社に残された僕たちとしては、異能の人を受け入れる度量を失ったこの会社を、
もう少し風通しの良い場所にしなきゃいけないと思う。
僕はもうしばらくそうやって、この組織の中で足掻いてみようと思う。
枠組みを変えるためにその才能を使って欲しいと思う。
先輩、長い間の会社勤め、本当にお疲れ様でした。また時々飲みに行きましょうね。
はなむけの言葉としては、少し異質な方向になってしまったので増田に書いてみた。
こんな取り止めの無い長文をここまで読んでくれてありがとう。