2012-09-01

全てに精通したパーフェクト・マンは必要

http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-507.html

逆に言えば、そうした実務の現場考慮することなく、「大学卒業しても就職できないのは不況のせいだ」とか「高校生就職が厳しいのは新卒偏重していることが諸悪の根源だ」とか、一面では正しいもののおおざっぱでしかない議論をされている方にこそ読まれるべき本だと思うのですが、そうした「一刀両断」的なワンフレーズを好む方がこうした地道な考察を理解すること自体が期待できないわけで、社会的制度改善というのはなかなか難儀なものです。

おおざっぱであれ正しい面があるなら、その問題点改善方法現実の政策に落としこんでいくのが実務家の仕事じゃないか。全体像を見通せる研究者が、細かな個々の事情も全て知っておくべきということになれば、それこそ実務家なんて必要がなくなる。全体の方向性をおおざっぱに示す人がやるべきことは、全体像をより精緻に正確につかめるよう精進し、実務家にはない視点を積み重ねていくこと。その上で実務家と共同していくことでよりよい政策が生まれることになる。みなが個々の事情を個別に検討する地道な作業をする必要はなく、全体観にも個々の事情にも精通したパーフェクト・マンを求めること自体が間違っている。そして、批判をするならその全体像のつかみがダメダメからもっとうまくつかめ、という方向のものであるべきであり、地道な考察を知らない、実務の現場を知らない、という方向であるべきではない。

「ぼく、考える人。君たち、手を動かす人。」と言われているようで腹が立つ気持ちは理解できるけどさ。

  • 自分の知っていることすら知らない人間はバカだって考え方で、バカの言うことなんて聞きたくねえよってだけ。 特にこの手合いはコンプレックスがあるのか自分のことを卑下している...

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