2011-02-20

泥水を飲む大学

学業における選別は単純で、せいぜい4つしかない。

英語数学も出来る

数学は出来る

英語は出来る

④どちらもできない

たったのこれだけだ。

①の生徒の多くは国立大へ進学するだろう。文理もあまり関係なく、好きな進路を選ぶ。②の生徒は高校の時点理系へ進む。③の生徒は理系へ進むことはできなくとも、それなりの大学文系学部へ進学する。問題は④の生徒だ。彼らが進学を希望する場合レベルの低い大学に進学するか、あるいは受験科目数が少なく、ペーパーテスト以外の部分が評価の対象となる方法を選ぶことになる。すなわち、現在問題になっている公募推薦入試や、自己推薦入試AO入試と呼ばれる入学試験に挑むことになる。この入試方法は早期に学生数を確保したいという大学側の思惑と、一般入試では合格することの難しい大学に進学できるという受験生の思惑が合致し、一見すれば双方にとって都合のよいシステムとなっている。しかしながらこの④の生徒を受け入れることは大学にとっても泥水を飲むことに等しいのもまた事実だ。そもそも学力が一般入試組と離れているため、講義についていけず不登校になったり、大学全体の悪い噂が広るなど、結果として大学全体のブランドを貶めることにもつながりかねない。もちろん、全てのAO入試がこのような経営側の視点によって実施され、不毛結果を生んでいるわけではない。例えば私学でもトップクラス大学であればAO入試は十分に機能するシステムだろう。もちろん、そのような大学AO入試は④の学生では受からないようになってはいるが。ただ問題は日本中に山のようにある「それ以外」の大学なのだ。

ちょうど、

日本橋学館大学シラバスがすごい件:ハムスター速報

http://hamusoku.com/archives/4123267.html

という記事が話題になっているが、④の学生を採るということは、このような事態を生む原因を作ることとほぼ同じ意味を持つ。少し考えてみて欲しい、英文を読む必要があるときあなたはどのような行動をとるだろうか。おそらく多くの人は文章全体にざっと目を通し、わからない単語や熟語を辞書で調べようとするだろう。しかし彼らは違う。その場でフリーズしてしまうのだ。英文を読むためにするべきことがそもそもインプットされていないので、どうすることもできない。そのため大学でそこから教える必要がある。

大学はそのような人間の来るところではない」というのは至極全うな指摘だと思うが、既存大学(特に一定レベル以下の)が生き残るにはもはや彼らを受け入れるしかない。この流れを止めることは誰にも出来ないだろう。

  • そんなにレベルの高くない大学で非常勤してたことあるけど本当なら中学高校からやり直した方がいい、 あるいはそこからやり直せばついてこれるのにって子は毎年いる。 でも現状そう...

    • 新しい設定だけど、準備不足じゃね?w

    • そんなにレベルの高くない大学で非常勤してたことあるけど本当なら中学高校からやり直した方がいい、 あるいはそこからやり直せばついてこれるのにって子は毎年いる。 「自分は...

      • 高校で中学の勉強をするのは本人のプライドが許さないようなイメージはある でも大学で高校の勉強をする事には学生はあまり抵抗なさそうだった 理由はよくわからないが高校のは「補...

  • それでも大学がそういう奴を受け入れる必要はないし、それをせずに潰れてしまう大学は潰れるべきだし(とっとと私学助成廃止してそういう奴が入りそうな大学から潰すべきなのだが...

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