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2020-11-24

三菱UFJユナイテッドオーシャンの癒着は無かったことになったのか?

今日付の日本海事新聞記事ユナイテッドオーシャングループの子会社グループ会社から破産を申立」を読んで、「あのグダグダ劇はまだ続いてるのか」と少しばかり感心した

ユナイテッドオーシャン(以下UO社)を聞いてピンとくる人はあまりいないだろう インド人社長が一代で大きく成長させた国内大手船主会社

なんでインド人日本で船主業を営んでいるのかは謎なのだが、この会社2015年冬に会社更生法を申請した

まず船主について簡単説明しておこう

大手オペレーター日本国内でいえば日本郵船とか商船三井とか)は荷主からの依頼を受け船を手配する

オペは自社船も保有しているが全て自社で抱えるのはリスクが高すぎる(海運マーケットボラティリティが高い)

そのため船主に船を保有してもらい、オペレーターは船主との間で用船契約を結んでその船を使うというスキームを取っている

これにより海運マーケットが低迷した場合には、違約金を払って船主に船を返すという選択可能となるわけだ

話をUO社へ戻そう UO社は2015年会社更生法が適用された 負債総額はグループ全体で1400億円にものぼる

UO保有船舶38隻は全て日本郵船に用船されていたのだが、なぜ新興船主であるUO社が国内大手日本郵船とここまでの取引拡大が図れたのか

答えは恐らく「日本郵船に対する過度な接待プラス「破格の用船条件」であったと思われる

UO社の用船条件は期間10年、当初3~5年は固定用船料でその後はインデックスリンク(市況連動)であったとき

こんな条件ならオペは大喜びで船を借りてくれるだろう 通常用船料は固定が一般的

そうでなければマーケットリスクを全て船主が負うことになるし、そもそも用船料が変動では返済出来るかどうかが不明なので銀行融資がおりない

ではなぜ三菱UFJはこのような用船条件で巨額の融資を実行したのか

答えは恐らく「三菱UFJ銀行に対する過度な接待プラス銀行自身ノルマ達成のため」であろうと思われる

三菱UFJ銀行側も社内調査により「新橋支店担当者等が銀座高級クラブでの過度な接待要求していた」ことを事実として認めている

しか問題なのはそれよりもむしろ担当者が偽造された用船契約を看過しUO社に対する融資を実行してしまたことにある これは紛れもなく背任行為

三菱UFJ側は「書類の偽造はUO社が行ったこと」としているが、本当にそうだろうか

UO社長は「銀行から“これでは稟議承認されない”と指示されて偽造した」として三菱UFJ銀行裁判で争っている

エビデンスの偽造に手を貸し(あるいは看過し)融資を実行して数字を伸ばす

あれこの構図どっかで見たことあるぞ、そうスルガ銀行かぼちゃさんの一件と全く同じ構図である

裁判では「三菱UFJは偽造を知り得る立場にはなかった」という結論に至りつつあるそうだが、客観的に見れば「おかしいなとは思いつつも成果のために見逃した」が正解であろう

見逃すことで銀座の高級クラブで豪遊することが出来、私腹を肥やすことができる

しか船舶向け融資は1隻あたり30~40億円と巨額なので自身評価も上がる

(上場企業向けなら数十億~数百億の融資があるが金利死ぬほど安いので儲からない

船舶融資場合相応のスプレッドが取れるうえ、米ドル建てが基本なので外為取引スワップ契約等でも収益が抜ける)

等々のメリットがあったので目を瞑ったのであろうが、良くて善管注意義務違反、悪ければ背任を問われても仕方ない

なのにそこらへんの話は一切触れず「自分たちは騙されたんです!」とだけ言い張る三菱UFJはどうなんだろうねと考えた 本当にちゃん社内調査したの?

 
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