2023-07-15

君たちはどう生きるかメモネタバレ注意)

一番奇妙なジブリ作品過去ジブリ作品オマージュが散りばめられているばかりか、なぜか他のアニメ監督作品ともどこか繋がっているような…。細田守今敏作品が頭をよぎる。(細田守の「星を追う子ども」との共通点無視できないレベルな気が。あとは作画が明らかにジブリを離れている瞬間があるのが大きいかも。)

この映画物語を追うものではない。誰かに感情移入して楽しむようにできていない。最後までその不思議感覚が残る。でも、目の前で鑑賞していた小さい子どもが、終わった瞬間に「おもしろかった…!」と呟いた。もしかすると、真に子ども向けの映画なのでは?

そう考えると、今回の「異界」はある種の「生まれ直し」なのだ。正しく「異世界転生」している。転生先で出会いと別れ、困難と戦い、そして選択を行う。これらは子どもにとって、これから人生で起こることを予期させる。映画を通して「君たちはどう生きるかシミュレータ機能するよう設計されているのではないか?(なお自分は十分に歳を取っているので、このシミュは動作不良を起こす。)

そして勝手想像だが、あの老人は宮崎駿分身である。とすると、宮崎駿は誰にも世界を渡せなかった、世界を手渡すことを失敗した。異世界崩壊は、ジブリイマジネーション世界崩壊意味する。しかし老人はそれを事前に、自ら選んでいる。老人は次世代のために「汚れていない石」を必死で探し当てた。しかしそれは第三者破壊されるのだ。

きっと今度こそ、これが最後作品ということなんだろう。ジブリエッセンス拡散し、勝手に引き継ぐ人間がその破片を受け取る。映画が始まる前の予告編の、やけにジブリライクな作画や、作中の他作品への無意識的な連結はそれを印象付ける。

おもしろかった?」と聞かれたら「奇妙だった!」と答えるし、「もうちょっと詳しく」と聞かれたら「自分子どもだったら最高だったかも!」と答える。そういう映画

  • 駄作とは思わなかったけど、色んな世代の人が共感できるようにはできていないと思った。 自分の見解としては、真に子ども向けの映画。 人生経験を積んでいるほど、その機能を体験す...

  • anond:20230715182101 人生の経験を凝縮した、メタフィクション(メタファンタジー)として読む。 異界での経験は、誕生→頼れる大人(親)との出会い→世界の仕組みの理解→友人との出会...

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