2023-05-06

公文書管理システムの大量ファイル消失事故について予想してみる

10年くらい前まで地方市役所情シスに居た

辞めたので最近公文書管理システム事情は知らないけど、適当に予想してみる

公文書管理システムって名前御大層だけど、うちの市では書庫の棚管理台帳+例規集でしかなく、運用も雑だった。

年度切り替えが終わる6月頃、前年度文書段ボールに詰める。

そこに貼るラベル公文書管理システムから打ち出す。

出勤簿とか、起案書とか、自課で予め倉庫に入れる文書カテゴリリスト化して保存年限も指定しておく。

カテゴリ分けはかなり大雑把。

公文書管理システムからは空き棚の位置、通し番号が発行されるので指定された書庫の棚に段ボールを置いてくる。

公文書管理システムから今年破棄する段ボールを出力して、書庫から出して、幌つき軽トラ公用車に積んで、ゴミ処理場へ持って行き焼却炉にダイレクトシュート

公文書管理システム上で該当段ボールに破棄実行処理をする。

それだけ。

例規の方は市長決済や地方議会決議通さなきゃ更新されないものだし、どこにでもローカルバックアップあって復元も容易だろうから割愛する。

UI10年前なのにWindows95で作ったような化石だった。

管轄は総務課文書管理係で、はっきり言って定型業務しか」できない人の島流し部署だった。

情シスIT契約の一括窓口として毎年保守契約担当するけど

毎年「いつもの」で済ませて、仕様書なんて10年以上誰も確認してなかったんじゃないかな?

Excelや、下手すりゃLotus設計されたものを、WindowsExcelバージョンアップごとに

「同様に動作して業務を滞りなく継続できるように」って付記だけした契約を秘伝のタレのように使い続けていてもおかしくない。

どこの役所も似たようなものだと思うんだよね。

箱詰めなんてどこの部署新人嘱託職員でやって、上司確認決済もめくら判。

実務上必要な過年度文書は課内共有フォルダ管理していて

当然そちらはバックアップ完璧

過去文書原本なんてものは重大クレーム訴訟沙汰レベルじゃないと引っ張り出さない。

厳密にアーカイブする労力より、何かあったら該当年度の段ボールを箱詰めミスまで疑って全部洗った方が労力的にはマシだから

捨てる年度の混載さえなければ、どれがどの箱に入っていようがはっきり言ってどうでもいい。

ここからは予想だけど

行政DXの一環で庁内の働き方改革を進めるものとして、2022年4月から公文書管理システム運用を開始しており

https://piyolog.hatenadiary.jp/entry/2023/05/06/014208#f-5a93bcab

ってことなので、猫も杓子もDXって中で旧公文書管理システムにも白羽の矢が立ったんじゃないかな?

予算欲しいし。国から補助金とか下りるかもね。

「紙原本を引っ張り出す想定なんてけしからん、ディーエックスディーエックス……」って調子で。

とは言え、行政継続から言って押印した原本スキャンした所で完全破棄なんてできないし

実務で必要な過年度文書は共有フォルダ管理してるし、役に立つ局面はそうそうないから雑に仕様変更したんじゃない?

Lotusの頃から変わってないような仕様書にチョチョイと「ファイル添付できるようにして」とだけ。

今まで管理していたファイルは棚管理台帳とレガシーフォーマット例規だけのシステムに。

それなら拡張子大文字文字弄ったり、ホワイトリストバックアップ対象を3日だけ管理しているのも納得できる。

下手すりゃ10年に1度しか引っ張り出さなもののために、決裁文書の最終版全部システムアップロードするフローが増えるの嫌だなぁとか考えながら。

まぁコツコツ蓄積すりゃ、大量文書開示請求強気対応できるようになるだろうけど。

職員の徒労を脅しに譲歩を引き出そうとする、痛くもない腹探るようなやつね。

マジで対応しなきゃならないガチ文書開示請求だったら結局は最後は紙に印刷したもの目視確認しするし。

一括検索で引っかからなかった関連文書心配だし、紙原本引っ張り出した方が手間ないと思うんだよね。

DX推進してる中で

システム添付ファイル紛失したけど、実は紙台帳から業務改善できてなかったので支障ありません」

とか言えないじゃん。

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