別に初見時に狂わされるほど気に入った小説ではなかったけど、なぜかずっと頭の中に居続けていて、半年ほど経過したと思う。
狂わされるほどではなかっただけで、その作者の他の作品も読んで、全部気に入ってブクマしてフォローした記憶がある。ツイッターも覗いたけどフォロワーが少なすぎて、不審なアカウントしか持ってない私はフォローできなかった。フォローしてもブロックされたと思う。
それで、自分のブクマを確認したけど何故か見つからなかった。焦った。フォロー欄探しても見当たらなかった。アカウント消してる!
しかし読みたい。作者が削除の判断に至ったんだから探すのってどうなんだって少し思ったけど、読みたかった。転生先とかがあってそっちに再掲してるかもしれないし。個人サイト開設しててそこに載せてるかも。そうじゃなくてもコンタクトを取れる状況なら、ダメ元でメッセージを送りたい。
だってもしかしたら私の記憶違いで、ブクマもフォローもしてなかっただけかもしれないし。
とりあえずテキスト検索。朧げな記憶の中から、セリフや表現を思い出して検索してみる。見つからない。内容から確実に使われているであろうキーワードを乱れ打ち。見つからない。
しかし、その中で一縷の光を見つける。それは似た傾向と思われる作品のキャンプションの一節。
「同志、○○さんに捧ぐ」
例の作者の名前があった。絶対にあの人を指している。名前をキャンプションに出せるほどの仲なのだろう。
その人のツイッターを開く。小規模なアカウントだ。急いでFF欄を見る。鍵のかかっているアカウント含めてそれらしきものはない。
その人のツイートを漁る。ビックリしたんだけど、一つも例の作者と交流をしてるらしきツイートがない。意味がわからない。おそらくこれは、ツイ消ししている。
仕方がないからきちんと探した、一つずつその人のツイートを見た。その人のツイートに反応がついているたび、その反応欄を確認した。
とにかく本当に見つからなかった。ひとつも痕跡がなかった。例の作品のリンクを掲載したツイートさえなかった。
仕方がないから、この人に頼らない捜索をツイッターで始めた。作者が書いていた傾向のキーワードを、とにかくとにかく検索しまくる。
運が良ければ本人のツイートを見つけられるかも。そうじゃなくても、同じ作品に胸を打たれた人が見つけられれば、その人のフォロー欄にも希望がある。もしくは、削除された作品のリンクを含んだツイートも見つけたい。ダメ元で、ウェブ魚拓をとられてないか探したい。
しかしまあ、手掛かりになりそうなものは見つからない。信じられない。作品のブックマークは100件超えていたと思う。ファンが活発なジャンルの二次創作だし、呟かれていないのが不思議すぎる。
ひとつも見つけられない事実が受け入れられず、執念で同じ傾向の趣向を持つであろうアカウントのツイートを遡りまくった。めちゃくちゃ遡った。でも見つからない。
もう、とにかく本当に見つからない。
今ここで懸賞金をかけて協力者を募りたいくらい、もう一度あの作品を読みたい。悔しい。仕方がないことだから諦めるべきだとわかっている。作者が跡形もなく消えようとしているんだから、忘れるのがその人のためなのかもしれない。しかしあの作品を読みたい。あの作品に再び辿り着くことのできない、自分の非力さが憎い。
今、私はピクシブもツイッターも諦めて個人サイトをしらみ潰しに巡っている。
おそらく見つからないだろう。朧げな記憶の中の、作者のプロフィール欄や僅かなツイートから、勘だが個人サイトをしていないタイプの人間の様に思われるから。
それに、インターネット歴は浅いから、個人サイトという文化に疎い。個人サイトの見つけ方を知らないから、ひとまずランキングサイトを延々と掘っているが、この方法がどうなのかさえわからない。
もう、本当に悔しい。もう一度読みたい。ここ数日間ずっとあの作品のことを考えてる。他のことに手がつかない。辛い。もう二度とあの作品が読めない。読みたい。好きだ。もう遅い。凹む。
なんか気持ち書き殴ってて、前バズってた同人女のやつ思い出したけど、あんな上手くいかないしあんな楽しくない。現実は厳しい。