2019-09-27

あんなに綺麗に見えたのに。

学生時代の友人達と会う度、インターネットから見える世界とのギャップを強く感じる。

私達の間には「久しぶりに会ったんだからお互いにとって心地の良い時間を作ろう」という暗黙のルールがあるように思う。

堅苦しい話題なんてタブーで、まるで世の中には政治経済環境エネルギーについての問題は何も存在しないかのようだ。

「今度こんなお店ができるんだって!」

「実はもうすぐ結婚するんだ!」

お腹の中の子男の子みたい!」

「あの小説映画化するらしいよ!」

人達と居る間、未来は晴れやかに思える。

帰宅してインターネット世界を覗くと

中身のない若手政治家の発言、元内閣官房参与告発、月収15万円以下の人々の叫びジャパンデイプロジェクト疑惑日韓対立を煽るようなツイートの数々。

私達の住む日本問題だらけで、しかしそれらが解決に向かうことはほとんどないように見える。

親指が画面を滑るたびに心は重く沈み、

日本はもう駄目なのかもしれない、という気持ちになる。

インターネットは不健全なのだ

私の心にとって宜しくない。

どうせ私ができることなんて何も無いんだ。

こんな堅苦しい話題を好むような人達言葉なんてもう読まないようにしよう。

これを機にギスギスしたインターネット世界からは離れることにしよう。

そうすればきっと晴れやかな心持ちのまま生活できる。

そう思って画面を消して眠るけれど

次の朝には寝惚け眼で画面を見ている自分がいる。

瞳で文字を追えば追うほどインターネット論理が脳に染みこんでいく。

「久しぶりに会えて嬉しかったよ!ありがとう!」

通知欄に現れた文字に少しだけ気持ちが浮上するけれど

でも駄目なのだ

世の中の問題に見て見ぬふりを貫く生活

世の中の濁りを直視する生活

どちらが不健全なのか、もう分からなくなっている。

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