2018-05-31

君去りし後

あなたがこの職場を去って2ヶ月が経った。とは言っても最後に共に働けたのは4ヶ月前になる。だからあなたがどのように去っていったのかを僕は知らない。だが、先日、4ヶ月振りのバイトとき、ここにはもうあなたがいないということは理解できた。

振り返ると大学1、2年の時は何をしていたのかと思ってしまうような、そんな日々だ。実家を離れ1人暮らしを始め、サークルに入るも2ヶ月で辞め、友達が出来ることもなく、朝が来て大学に行き、そして夜を迎える、その繰り返し。年に1、2回高校同級生数名に誘われて渋々出かける、その程度だった。

しかし、色々あって大学2年が終わる頃、夏休みなどの長期休みのみ実家から通えるところで働くことになった。そこでも誰とも関わろうとは思っていなかった。最初のまとまった出勤は春休み。どんなことをしていたか必死だったからよく覚えていない。でも、僕が大学が始まるということでいなくなったことを何人か惜しんでいるということを聞いたとき、とても嬉しかたことは覚えている。はじめて人に必要とされたような気分だった。

次にアルバイトに行ったのはGWとき。一度も会話をしたことがなかった1つ年下の専門大生のあなたは、出勤した僕を見るなり一言「来てくれたんですか?」ただただ、びっくりした。

その次に行ったのは夏休みとき。その時もバイト初日あなたはいた。そして笑顔で迎えてくれた。その頃から少しずつ会話を交わすようになった。

冬休みに行ってもあなたはいた。「今大変ですから頼みますよ〜」と背中を叩かれた。その言葉通りとても忙しく、よく出勤が被った。ただ、大晦日の帰り際「私は就職するので4月にはもうここにはいないんです」と告げられた。僕も就活試験勉強を進めなければいけなかったか春休みにはバイトをしないことを、誰にも言っていなかったが決めていた。要するに、冬休みが終わるまでの残り数日しか一緒に働けないということ。その日々はそれまでの日々よりはるかに早く過ぎ去っていった。最後の日「私がいなくなったら、もうここには来なくていいですよ」と言われた。「何言ってんだよ(笑)」と強がってみせた。別れの言葉は「またいつかどこかで」だった気がする。

それから僕は勉強に集中した。ただ、一度だけ実家に帰る用事ができた。そのとき職場に客として行った。ちょうどあなたがいて目を大きく開けて「何でいるんですか?」と言われた。そこで少し話をした。それが最後だった。

先日、また実家に帰る用事があり、実家にいる数日のなかで就活気分転換バイトに行った。でも毎度毎度僕を笑顔で迎えてくれたあなたはいなかった。あなたがいつもいた場所には違う人がいる。あなたがいないということをここまで寂しく思うとは正直思っていなかった。どれだけ仕事が捗っても何かもやもやした気持ちがあった。この気持ちが何を意味するのか僕にはわからないが、あなたと過ごせた時間はかけがえのないものだということは理解できた。

就活がうまくいけば来年4月まで、うまくいかなかったら(笑)そのときまで、あなたのいなくなったこ場所で僕は働きます

いつかまた再び会える日が来ることを楽しみにしています

それまでお元気で頑張ってください。

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