過労死とか、うつで自殺とか話題になって、いろんな意見が出てる。
ただ、同情的な発言をしている人でも、自分で体験したことがない場合、わりと無意識に「つらい状況の中でも思考は明晰」という前提での意見が多いように思う。
実際には「つらい状況の中で思考が歪んでいく」ことで、本人が抜け出したり、周りから手を差し伸べるのが難しかったりすることが多いように思う。
そこで、自分の体験した時の心理状態をできるだけ思い出して書いてみた。
「あー、なんか起きれない」
「よし、会社に電話するぞ。いまはちょっとできないけど、5分たったら全然できそう。うん、あとで連絡しよう」
「・・え、もう1時間たったの?」
自分の思考が鈍っているときは、相対的に時間がビュンビュン過ぎていく感じだった。のろのろしている気はないし、5分後には普通に動き出せる気がしてるけど、その状態がずっと続いて動き出せないまま気がつくと夜になる毎日。
2回目以降は、うつが来ちゃったか、ってなんとなく(あくまでもなんとなく)想像できるけど、初回は自分でも何が起こっているかわからない感じ。
まず、仕事を辞めるとなると貯金がたったの200万円しかないから、1週間もしたら底をつくのは火を見るより明らかだ。
あ、ちょっとまてよ。死ぬって方法があるな。そっかそっか、これは盲点だった。
なんでいままで見落としてたんだろう。論理的に考えてこれが一番合理的だな」
追い詰められて、もう何もかも放り投げて苦しいことから逃げ出したい、という感じは本人的には全然なくて、なんかへんなところにはまっちゃったな、という感じ。選択肢をひとつひとつ検討して一番合理的と感じた道が死ぬことだった。
貧困念慮で選択肢自体がおかしかったりするけど、思考が歪んで正しい判断ができず、この考えのどこが間違っているのか自分では全然気づいてない。
自分でおかしいって気づいてないのになんで死ななかったの?
体験でいうと、東山線が伏見のホームに滑り込んできた時、ふっと逝きそうになった。 もはやそこには、思考はなかった。電車は迷惑とか、そういうの考える余裕などない。 ふっとね。