2014-01-10

タンス預金がやはり多いらしい

日本は「タンス預金」が多いという話がWSJにまで載っていて恥ずかしいのだ。「日本人は依然多額のたんす預金を保有―予想外に高まる現金需要」(ウォール・ストリート・ジャーナル 日本語訳)

カネが保管されて回らないということはすなわち、景気が悪いということだ。

タンス預金インフレリスクがあって、およその場合は損をするはずなのにもかかわらず、現金のまま保管するのはなぜなのだろうか。単にインフレリスクというものを知らないだけなのか? それとも、あえてインフレリスクを許容しているのか? 円安になっても、相対的に損するのに。

バブル崩壊後に複数の預金取扱金融機関破綻し、またペイオフもされるようになったからだろうか。バブル崩壊トラウマをまだ引きずり、同時に、リスク覚悟するという勇気がないからなのか。

多額のタンス預金をしているのは、高齢者が多いと思われる。貯蓄があって、かつ、所得がない人間だと思う。

この国はいまや、寿命がやたらと延びて、いつまで生きられるかわからない。生きられてしまうことがリスクになっている。生活費医療費も、いくらかかるかわからない。なにがあるかわからない。将来のために溜め込んでいるのではないか。

不安からといって、老人なのに医療保険に入る人もいる。以前、外資系保険会社に開放したいわゆる「第三分野」が結果的に「入れ食い」状態になった。

適合性原則を破った商品販売の事件は、あとを絶たない。金融商品はもちろんのこと、着物やら健康食品やら医療器具やら、さまざまある。

振り込め詐欺」の被害が、しばしば、多額でびっくりする。一千万円を超えるような事件まである

ただ単に、ひとがいいから騙されるということではないだろう。そもそもに、不安感、不信感があるから、多額の溜め込みをしているにちがいない。そして、「振り込め詐欺」や「甘い話」にも釣られるのだろう。騙されるのには一種の人間不信があるのではないか。境界性人格障害のようなものなのだろう。そうでなければ、業者にあれもこれもと売りつけられるということにはならぬと思う。

いまの高齢者は、親類と同居していないことが多い。独居老人化が進んでいる。信用していい同居人がおらず、別居している親類には「迷惑かけたくない」と言う。同居していないので、おそらく、生活費も高額になるだろう。独りで不安なので、病院しょっちゅう行ったり、保険にも入るのかもしれない。「頼れない」状態で抱え込んでいる。

老人にもなれば、心身の劣化はほぼ確実に起こる。ほとんどの人は将来が不安になる。延命されて生命維持はされるので、ポックリと死ぬことは、それほどにはない。将来いくらカネが要るかわからない。

何か不測の事態が起こっても、社会保障が確実ならば、タンス預金なんて必要はないのではないか。社会保障が確固たるものではなく、例えば健康保険介護保険だの「自己負担」と言い、「自己責任だ」と強調しているから、溜め込むのではないか。

この国は、「社会保険」と称して、例えば医療年金も、皆加入であるにもかかわらず全額税負担方式ではない。加入するかしないかという選択肢はなく、そしていまは多額の費用保険料収入で賄うことが困難になってきている。これがかりに、「社会保険」という得体のしれないものをやめて、加入ができない層に対しては全額税で保障すれば、状況は改善すると思われる。この国には昔から自己選択、自己決定というものが欠けている。それなのに自己責任という意味不明

そして今日も景気が悪い。少なくとも、多額のタンス預金今日も眠っている。

  • 何を言いたいのかわからないが、単純に現在、金利が低いからだろ。 インフレリスクなんてんなもん考えられる老人なんていねーし、 それに加えて株だのなんだのに手出せるほど頭回る...

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