淡白を絵に描いたような人。
わからない。
仕事はみつかったけれど、フルタイムで働ける体力は私にはもうない。パートのままだ。
夫に触れたい、触れられたい、と思っていた。
けれど、触れないでいるうちに、声がダメになり、においがダメになり、とうとう存在がだめになった。
本当の理由はわかっている。
結局は未遂に終わったけれど、そのときに、私は私の「女としての魅力」を試したい、と思ってしまった。
浮気は未遂のまま、夫にも抱かれないまま、歳月が過ぎる。
夫は仕事で業績をあげる。私はただただ、歳をとる。
けれど、仕事に出るには子どもが小さすぎる。保育園が見つからない。無認可保育園は環境が悪い。幼稚園には延長保育がない。
極めつけは「君が仕事に出る?僕を養えるほどは稼げないだろ?家にいて子どもたちを見ててくれよ」という夫の言葉。
職を探す気を失った。見つかっても、協力が得られないのは目に見えている。
仕事にも出られず、虐待をしそうなぎりぎりの精神状態を保っている間に、どんどんと、私の心は遠のいた。
いつか義務になっていた。
辛かった。
夫は気付くことはなかった。
ひどい貧血も。生理不順も。下着をかえても。脱毛をしても。病院に通っても。薬を飲んでいても。
買い物でさえ、約束の時間に帰ってこなければ不機嫌に責める目だけが待っていた。
ひとりで出かけられた日は、結婚していた期間、子どもができてからは、数えるほどだ。
子どもがいてもできる仕事を探した。数時間出かけるだけの仕事。
けれど、震災がおきて、支払いがなくなり、タスクだけがそのままで、私は現実的に首を切られた。
すべてが一瞬にして変わってしまう。
それならば、もう、私、がまんしなくてもいいんじゃないかと思った。
このまま歳をとりたくなかった。
ネットで口説いてきた男性と関係を持ち、はじめて、セックスというものを知った。
こんなに気持ちのいいものとは知らなかった。
14年間連れ添った夫よりも、たった数時間前にはじめて出会った男性の方とふれあっている方が数倍も気持ちいい。
衝撃だった。
もう、若くはない私は、ネットの海で、やっぱり遠い目をしている。
セックスを教えてくれた人は、仕事を理由に、会おうともしなくなった。
私がホテルを取り、食事を用意し、セックスをしてもらうだけの関係。
それも、もう、疲れた。
ただ愛されたい。愛したい。
私の身体を愛でてくれる人と、ただただ、キスをして、セックスがしたい。
身体ごと、愛しあいたい。
今日の創作コーナー
それな 広告やっててイラストかけるなら ウェルカムボード描いてとかなんか披露宴を盛り上げるような案出してとか依頼くるんだわ
創作と分かっていてもイラっとしてしまうこの生真面目な性格をどうにかしたい。
どのへんがイラっとしたのか教えてほしい。