俺の勘違いは始まった。
おれ、イケんじゃね?
Numberに載ったことが影響してか、
必死になって書いた。
手にした大金を見て思った。
おれ、サッカーで飯食っていけんじゃね?
憧れのサカマガに行けると思っていた。
無理だった。配属されたのは営業部で、
取締役の人にやめたいと言った。
このまま営業をしていてもダメだ、
取締役の人は、うちでやってみろよ、
と言ってくれて、編集部に異動させてくれた。
ある程度のスキルも身についたと思い、
転職活動を始めた。
相変わらずちょくちょく更新していた。
運良く内定をもらえた。
配属されたのは、別の部署だった。
また回り道。
それから二年経った。
ひょんなことから、
勝てば休日出勤。面倒だなあと。
だが、勝った。勝ちやがった。
朝からずっと張り付いて、
ようやく昼過ぎに落ち着いたとき思った。
しちゃってるんじゃねえの?!
急に目頭が熱くなってきて、
涙がこぼれ落ちた。
ガランとした社内で、
ジュるジュると鼻水をすすりながら、
一人むせび泣いた。