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2015-09-20

実家ローソンが潰れてた

3年ぶりに帰った実家の空は磨き立てのガラスみたいに澄んでおり、夜空を挟んだ向こう側の景色ガラス越しに見えてきそうでした。

バスを降りた先は街中なのに森林セラピーの中にいるみたいな静けさで、懐かしい感覚が僕の肌に触れていました。

あぁ、帰ってきた。

明日執り行われる高校からの友人の結婚式に出席するために、僕は実家に帰ってきました。

皆さんも経験があるかと思いますが、たまに帰った実家景色はどうしてこうも変わっているのでしょう。

僕は大学生の頃から一人暮らしをしていました。なので、もうかれこれ10年近く実家にいません。

そして、たまに実家に帰るたびに建物が変わっていく寂しさを感じていました。

僕の家の近所にはローソンがありました。僕が物心ついた頃からそれはそこにありました。昼間に行くと老夫婦と50代くらいのおばちゃんがレジをしてくれたのをよく覚えています

小学校の時の遠足に持っていくおやつはそこで買っていました。週刊少年ジャンプ立ち読みもそこでしていました。高校生の頃、深夜に家を抜け出してタバコお酒を買うのもそこでした。

僕はそのローソンが大好きでした。

正直、ローソンのお弁当は美味しくないと思いますが、そこのローソンだけは違うように感じていました。

多分それは僕の勝手感覚なのでしょうが、とにかくそれくらいそのローソンが好きでした。

そんなローソンが、今日帰ると店内をビニールシートで覆われ、身体中を深夜の暗い闇の中に溶け込ませてぽつんと建っていました。

実家にいる姉から、そのローソンが閉店する事は聞いていたのですが、いざ目の当たりにすると様々な感情が湧きあがってくるものです。

小学生のころ、笑顔で僕に「いらっしゃいませ」と言ってくれた老夫婦やおばちゃんは今どこで何をしているのでしょう。

深夜にタバコを買いに行った時の、レジの無愛想なお兄さんは新しい職場を見つけたでしょうか。

道の先には僕が高校生の頃に出来たセブンイレブンがあり、そこでは50代くらいの男性2人がせわしく仕事をしていました。

そこで焼うどんビールを買って家に帰りました。

帰り道、夜空が少し狭くなったような気がしました。

(終わり)

 
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