選挙が近づく度に、誰にも入れたくないから白票を入れる、いや白票は意味がないみたいな言説が飛び交っている。実際のところ、白票は何に影響して何に影響しないのだろうか? とりあえず小選挙区に絞って考える。
当然ながら、白票は候補者の得票数には影響しない。したがって白票を投じたところで誰かが当選したり落選したりすることはない。
惜敗率とは、選挙区内の最多得票数を100%として候補者の得票数が何%かという割合である。比例重複立候補の候補者は惜敗率が比例名簿同一順位の候補との順位付けに利用されるため、惜敗率が高ければ復活当選しやすい。
法定得票数とは、いわゆる供託金没収ラインのことである。法定得票数の定義は有効投票数から決まるので、無効票である白票は影響しない。
投票率を選挙人名簿の登録者数に対する投票所に来た人の率としてカウントするなら、白票を投じた人の分もカウントされる。
特に、開票前の速報値であれば確実に選挙人名簿から算出しているので、影響する。
開票終了後に有効投票数から再計算することも不可能ではないが、わざわざそんなことをする例はあまりないだろう。
投票用紙からは世代は分からないので、世代別投票率は選挙人名簿から計算するしかない。誰が白票を投じたかどうかは分からないので、確実に影響がある。
投票率や世代別投票率を気にする政治家がいるのであれば、その行動に微妙に影響する可能性はある。
では実際の所、良い候補が誰もいなかった場合、白票を投じるよりましな投票行動はあるのだろうか。
確実に当選しそうな候補がいる場合、これによって「2位以下の惜敗率を下げる」「法定得票数を上げる」という効果がある。つまり、復活当選を防いだり、供託金没収にすることが可能かもしれない。
一方で、当選者の得票率は上がるので、当選者は「民意を得た」と思ってしまうかもしれない。
接戦ならその一票が明暗を分けるかもしれない。当然、法定得票数にも影響する。
一方で、入れた候補の惜敗率は上がるので、それによって比例復活当選してしまうかもしれない。
絶対に当選しそうにない候補に入れることで、有力候補の得票率が下がるが、選挙結果には影響しないだろう。
投票先候補以外の惜敗率にも影響しないので、比例復活にも影響しないだろう。
泡沫候補の得票数が供託金没収ライン上だった場合、これによってラインを超えるかもしれない。
同じ行動をする人が大勢いた場合、泡沫候補の得票数が増えるはずだ。したがって泡沫候補に有利な行動と言える。
まあ私はどこに入れるか決めてるのだが、他に何か良さそうな行動指標はあるだろうか?