https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240429/k10014432721000.html
そのうちに関根さんは眼の前の観客ではなく、テレビの向こう側の人たちに向けて笑いをするようになった。
これたしかにそうだったの覚えている。
いいとも、というのは「笑っていいとも!」という月~金までお昼の12時からやってた1時間のテレビ番組なんだけど、
普段はお昼にやっている番組が年に一回だけクリスマスにレギュラー総出で夜のゴールデンタイムに特番を放送する。
そのときのことをよく覚えている。
それは各曜日のレギュラー陣が、モノマネで競い合うというコーナーだったと思う。
輪島功一さんという元プロボクサーのモノマネをやっていた関根さんをテレビで見て、
僕と兄は大爆笑、もう笑い死ぬんじゃないかと思うくらい笑っていたんだけど、
テレビの中では会場は、シーーーーーーーーーーーーーン、としている。
全くウケてない。スベってる。
でも、その中でひとりだけ若い男性の笑い声が会場に響き渡っていた。
会場の中のSMAPとかを見に来ている女性には全くウケてないんだけど、
本当の笑いがわかるその男性だけは空気を全く読まずにひとりでゲラゲラ笑ってて完全に浮いていたのを覚えている。
今のテレビだったら、まずは芸人が率先してゲラゲラ笑ってウケている雰囲気を作るんだと思う。
でも当時はまだそういう番組の構成がうまく出来ていなかったのと、
有観客そして生放送、
そしてイレギュラーな特番で普段共演していないタレント同士の共演、
そういうことが二重三重に重なって、関根さんの芸が孤軍奮闘になってしまっていたのだ。
そのなかで、
会場の女性たちはシーーーーーーーーーーーーーン、
まるで理科の実験で互いに混じり合わない液体を撹拌した後に放置した後のように、互いが全く混じり合わず乖離していた。
そういうのをふと思い出した。