AI学習は著作権法30条の4で合法なんだが? の言い分は1000回くらい見た。まあ実際そうなんだけどさ、合法なら世間に許容されるとは限らないよね。
転売行為がそう。買ったものをそれ以上の値段で売る、これは合法であり咎められる理由はない(場合によっては違法です)。のだが、社会的には迷惑行為扱いであり転売屋はボロカスに罵られるのが常である。様々な理由から違法でなくとも、他者に害であると認知されればそうなるのだ。
昨今のAI技術と転売には共通項がある。「誰でも簡単に扱えるようになった」ことだ。スマホ一つでメルカリから転売できることであらゆる商品に転売屋がむらがるように、生成AIで簡単に作れることでフェイク画像や声の模倣、絵柄の模倣なんかがどんどこ増えている。AI学習の害が実例として広まりつつある。
少数なら見過ごせる行為も、閾値を超えれば対策をとらざるを得ない。メーカーや店舗は転売対策にコストを割かれ、真っ当な購入者は不便を強いられることもある。
さすがにAI学習と転売行為がまったく同じだとは思わないよ、例え話。とはいえ重要なのは、合法であってもやりすぎたら世間から忌避されるよ、ということ。
忌避しても合法で押し通されるなら、利用される側は勝手に対策をはかることになる。現に絵描き間ではスクレイピング対策として画像に微細なノイズ処理をかける行為が広まりつつある。いずれネットにあがるデータはそうした処理が自動で施されるようになるかもしれない。そうなったら誰も得しないんじゃない?