恋愛は怖い。
俺はスポーツでも習い事でも勉強でも事前準備を欠かさなかった。勝てる戦いしかしてこなかった。
小学校高学年では中学の英語数学を、中学校では高校の英語数学を、高校では大学範囲の勉強をした。
小学生の時からインターネットが使える環境だったため、スポーツや習い事を始める前にも必ず徹底的に道具、ルールや技術についての知識、競技人口を調べあげてから挑んだ。マイナースポーツやマイナー分野ばかりに挑戦してたくさんの賞を獲得し、高校や大学では部活のレギュラーや都道府県の代表となってきた。
職場に関しても、入るにあたって倍率の高い業界や例え入れたとしても競争の激しい業界は避けた。安定、出世、収入のバランスが最も良い環境を自分なりに選んでその業界に参入した。
ただ、恋愛に関しては小学校、中学校、高校、大学で何の事前準備もしてこなかった。事前準備をしたところで恋愛できたかわからないが一度くらいはデートに行けたかもしれないし、失恋であっても経験にはなっただろう。
しかし、今の俺は社会人。恋愛するつもりで女性と関われば事前準備(経験)前提で挑まなければならない。向こうも当然、こちらが経験者であるという前提で関わってくる。そして初心者、未経験であることが発覚すれば0ではなくマイナス評価だ。恋愛は俺にとって負け戦である。俺は負け戦はしない。
恋愛って何かを奪い合う戦いじゃなくて女の子とwin-winの関係を築くことなんやで。
普通はそうなのかもしれないな。 俺が女性と恋愛してもインドイギリスの関係になる未来しか見えない。